講演

あなたの日常から「障害」を想像してみる

今日から本格的に仕事をスタートした方も多いのではないでしょうか。私は、お正月のなんとも静かな外の雰囲気が好きです。

今日は、12月に吉田学園・専門学校北海道福祉大学校で行なった講義のお話です。2年ほど前から「障害の理解」という講義で2コマ連続の枠をいただき、学生さんに講義を行っています。→2017年の講義の様子はこちら

毎年行っているテーマは、「自分ごととして障害について考える」です。

学生さんには、二つの課題を出して、グループワークをしてもらいます。①もし自分が障害者になったら、普段の生活でどんなことに困るか?、②困ることをどのような方法で解消しますか?ということを話し合い、表にまとめてもらいます。

まず、その前に、皆さんが普段どんなところにいるのか、行っているのかを出してもらいます。学校やバイト先、自宅といった内容しか最初は出ないのですが、「その3箇所しか行っていないんですか?」と聞くと、いろいろ出てきます。普段、そんなことを考えて生活しているわけではないので、いざ聞かれると出てこないですよね。

カラオケ、ゲオ、コンビニが出てきて、ビーチや生鮮市場、山、ライブ会場などいろいろ。

その中から、想定する場面を選んで、①車いす利用者、②白杖を使っている視覚障害者、③補聴器を使っている聴覚障害者の中から対象者を選んで、自分がその方になったつもりで考えてもらいます。

これは2017年の学生の発表の一つ

 

実は、このグループワークの前に、「障害は、環境の改善や人々の差別や偏見意識の軽減により、解消できる。社会ではそれを保障することが必要」という話をしています。

実際に、解消方法を考えてもらうと、「その本人がどう準備をするか」は思いついても、環境を改善するというアイディアはなかなか出てきません。どこかにハンデがあると、日常の生活を送るために、自身で色々な工夫をしています。車椅子トイレがなければ、その前に計画を立ててトイレを済ませておく。紙パンツをしている人もいるでしょう。

しかし、本当は、普通のトイレがあるなら、そこには車いす用の広いトイレもあるべきです。「みなさんは、紙パンツを普段履いていますか。もし、地下鉄駅で急にトイレがしたくても、駅のトイレに駆け込んだり、車内にいたなら途中で降りてトイレに行けますよね。」と学生さんにお話しすると、急に真剣な顔になりました。

今回も、真剣にワークに取り組んでもらった後の、振り返りの時間をたくさん作ることができなかったのですが、ワークをする前とした後の表情が全く違うので、振り返りの時間をもっと作りたいと思いました。

いつも高橋銀司先生に講義の時間をいただいています。

吉田学園・専門学校北海道福祉大学校の担任の先生方にも感謝しています。

色々な学校で当事者が先生になって講義をしていけるといいなと思います。

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