生きる

介助する・される人も「手袋をつける」ことに慣れよう

今日は大切な話をしたいと思います。

今、新型コロナウィルスが日本中、世界中で広がっています。そのため、自分や相手がすでにウィルスを持っている可能性があります。

病院や介護施設でも、施設内で感染したところが出てきました。ニュースでは、件数はとても少なく感じます。実際にも、そのケースは少ないと思いますし、中で働いている職員の方々もできる限りの努力はされているはずなので、生活している方々も「今すぐにでも危ない」と不安になりすぎる必要はないと思います。

しかし、医療の現場と比べてしまうと、特に、自宅にヘルパーさんが来る訪問サービスや、入居者がたくさんいる介護施設では、「衛生面で気をつける」ということが抜けてしまいがちだと思っています。

トイレ介助、歯磨き介助、薬を傷口に塗るなど、介助を利用する側の体に人に手が触れてばい菌が入りやすい、介助をする人も利用する側のばい菌をもらいやすいと思います。

私は、ホームヘルパーさんを派遣してくださる事業所を3つ、個人契約を結んできてもらっているパーソナル・アシスタント12名の皆さんにより、サポートを受けています。

このような大変な状況の中でも、来てくださっていることは本当に感謝です。

「衛生面で気をつける」ことが抜けてしまうと言いましたが、私もその一人です。もちろん、仕事として来ていただいている事業所の責任者の方々やヘルパーさんに気をつけてもらうしかないのですが、利用する側も「自分の生活を守る」ことが大切です。それは、めぐりめぐって、サポートしてくださっている方が安心して続けて入ってくれることになるからです。

ヘルパーさんは、利用者さんに言いづらい

厳しいことを想像すると、利用する自分やヘルパーさんの一人が感染してしまうと、「事業所は、私のところへのヘルパーさんの派遣をストップ」します。実際は、来てくださる方もいると思いますが、ストップする可能性が高いと思うことが必要です。

今も、私のところへ働きに行くのが不安だと思う人もいるかもしれません。私もヘルパーさんの普段の行動は知らないので、どこかでウィルスをもらっていないか、疑ってもおかしくない状況にいます。

もっと、大切なことを言うと、その不安を口に出してはいけないという心理が働きます。特に、「利用者さんのために来ているヘルパーさんは、不安なことがあっても、利用者さんには言えない」と思っている人が多いです。

だからこそ、利用する側からも、どんな方法でも良いので、「私もこんな対策をしてみます。」と伝えることが大事です。

そこで、私は以下の手紙を書きました。

ヘルパーさんへ「コロナ対策」についてのお手紙

コロナウィルスの影響はまだ続きそうな状況の中、ヘルパーに入っていただく皆さんに、今後の対応について、お願いしたいことがあります。

In the continuous serious situation, I have something to ask you to handle the situation of the coronavirus. 

まず、その内容をお伝えし、その後に理由を書きたいと思います。

I’ll tell you what we should do, and the reasons why I am thinking of it.

⑴ ケア中も、清潔なマスクをできるだけ付けるようにお願いします。

Please put a mask on during the work at my house.

⑵ケアの開始と終了時の両方で、洗面所のハンドソープで、最低でも20秒以上の手洗いをしてください。

Please wash your hands with hand soap which’s on the sink when you start and finish the work. Please take 20 seconds at least to clean and rinse off.

⑶あらゆる場所の掃除、食器洗いでは、手袋の着用をお願いします。また、私のトイレの時に、汚物の付着が心配な方は、トイレの箱の中にある手袋をしてください。※現在は、トイレ介助時の手袋の着用も必ずお願いしています。

Please use the gloves for cleaning each place such as a restroom and toilet, a Landry room, dishes. If you’re worried to touch the sanitary wastes, please put clear plastic gloves on.※Nowadays, I decided to ask everyone to put gloves on every time when I go to a restroom.

⑷掃除やトイレの後の汚物は、必ず新聞紙や紙で包んでください。他のヘルパーさんが直接触れないように配慮してください。

Please cover every garbage with papers properly to not touch it for another assistant.

⑸風邪の症状や熱、味覚がないなどの症状が現れた場合は、休んでいただくようお願いします。

Please switch your schedule to another assistant if you get sick, fever, the symptoms of the taste disorder.

緊急事態宣言が解除されて以降、多くの人が外出するようになりました。日に日に時間が経っていくと、自分は大丈夫だろうと気を緩めてしまいます。

A lot of people have gone outside since the Hokkaido government released the declaration of the state of the emergency. 

We tend to lose the tense caution of the coronavirus day by day.

自分に症状が出ていなくても、他の人に移り、それがまた他の人に移る可能性があります。

If you don’t feel bad, the virus might move to some people through the air.

私の自宅では、たくさんの方が来る以上、私自身や皆さんのこと、皆さんの家族のためにも、気をつけなければならないと思っています。当分は、私は家族に移すことができないので、実家にも帰らない予定です。

I’m considering that I have to be careful about it for me, every assistant and assistant’s families also. I’m not going to visit my parent’s house to prevent them for a long time.

私は、すべてのドアノブや触れるところをアルコール消毒すること、万が一ヘルパーさんのマスクがなくなった場合に備えて、マスクを用意していること、きちんと食事を食べ免疫力をつけることをやっています。

I have tried to put the alcohol on everywhere people touch, keep any masks to give you, improve immunity by delicious foods.

何か、心配な点がありましたら、ご遠慮なくご相談ください。また、マスクがいつ入荷するのか分からない状況ですので、布マスクの作成も、私たちヘルパーチームでやった方が良いのではと考えています。

Please don’t hesitate to ask anything at all. I’m thinking if our team should make masks for assistants because I’m not sure when they come again. 

皆さんでできることで助け合いながら、乗り切りましょう。

Let’s survive the situation supporting each other.

手袋をしてもらうことをためらったワケ

最初、ヘルパーさんに手袋をしてもらうことを、少しためらっていました。もちろん、掃除や衣類の手洗いの時は、手袋をしてもらっていました。

ただ、トイレの後の拭く作業や、ナプキンなどの処理では気にしていなかったのです。「トイレットペーパーをたくさん使っているから、直接触れることはない」という過信があり、また、「手袋をするなんて、私が汚いみたい」と思っていたのだと思います。

実際に、他の事業所の方に聞いてみると、「手袋の材質が肌に当たると、気持ちが悪い」という方もいると話していました。もちろん、使い捨て手袋のプラスチックが当たるとかぶれてしまう、という方もいるのだと思います。

一方で、私もずっとこれについて考えてきた時に、ヘルパーさん自身も「手袋をすると作業をするのに邪魔」と思う人や、「同じ女性だもの大丈夫、全然気にしない」と深く考えない人もいました。そういう人がいるなら、私も不快だし、ま、いいかと、手袋をしてもらうことをしてきませんでした。

利用者から伝えれば、ヘルパーさんも安心

障害があったり、高齢でできないことが増えたりすると、お世話になるヘルパーさんや家族に、日常的にも「ありがとう」と「もっとこうしてほしい」という気持ちが複雑にからみあってしまいます。そのために、「手袋をつける」ということで、「自分を否定された」と思ってしまいます。

ヘルパーさんは、利用者さんに対して「やってあげたい」「助けになりたい」「希望を組んでいきたい」と思っている人が多いです。そのために、基本は「利用者の希望を優先に」します。

しかし、今、新型コロナウィルスで誰もが困っている以上は、介助を利用する側も、頭や気持ちが働くのなら、「自分に何ができるのか」を考えて助け合っていくことが必要です。

接客業であってもマスクはするべきなのと同じように、介護職でもマスクや利用者の体を触った後の手洗い、手袋の着用をするべきです。むしろ、そのような職だからこそ、お互いを守るためにもやっていくべきだと思います。

ヘルパーも利用者も「受け身にならず」

介助をしている時にお互いを守るために必要なものがあります。それは、先ほどもお伝えしたように、使い捨て手袋、マスク、石鹸(ハンドソープ)、使った手袋や汚物を入れる袋、うがい薬などです。

さらに、もし、利用者に風邪の症状が出た場合は、防護服になるような全身の服、長い手袋、顔や目を守るプロテクターがいるでしょう。

それらは、事業所の判断で用意するか委ねられています。そのための行政からの援助や警告はありません。

私は、札幌市の独自の制度でパーソナル・アシスタントを雇っているので、その方々へ必要なものを用意しないといけないのです。そこへの援助も特になく、個々の経済状況や判断に任されているのです。

手の洗い方や回数が、人それぞれ違っているので、そのことでさえも、意識をする必要があります。

この介護職は、私のような利用者がいる以上は、なくなることはありません。今、新型コロナウィルスの影響で、他の仕事をなくした方などが介護職に応募している方もいます。

介護職の業界に、ウィルスの影響が増えてしまえば、自分の生活も危うくなり、今、働いてくださっている方の職もなくなってしまうのです。

もちろん、私ばかりが考えるのはとても疲れます。ヘルパーさんも個々で考えていることがたくさんあると思います。

そのことを心にしまっておくのではなく、またお互いに八つ当たりになるのでもなく、行政にもっと働きかけられるようになることが必要です。

今から「手袋をつける」ことにお互いが慣れて、コロナ対策の具体的な行動と、行政へ働きかける準備運動をしておこうと思います。

POSTED COMMENT

  1. Nami より:

    私はヘルパーとして働き始めた頃、トイレ介助の際手袋をしないことに戸惑いがありました。(看護分野ではスタンダードプリコーションという概念をしつこいほど教えられる、、、)
    それを伝えることがとても失礼なことなのではないかと思い、発信できずに終わってしまいました。
    コロナを機に、介助する人も、される人も自分の身を守るためにこのようなことを考えるのは大切なことと思います(^^)
    ただ、衛生的、感染防止の問題と、ディスポ用品の環境的な問題はなかなか悩ましいですよね、、、。

    • コメントありがとうございます!
      介護現場では、トイレ介助の際に手袋をつけていないところが多いと思います。お尻を拭くときのことを例にすると、トイレットペーパーを多く取る人は心配していなかったのですが、少なく取ってしまう方に注意していただけでした。生理の場合も、もちろん素手で直接触ることはないのですが、例えば、少し汚れてしまったものを洗うとかだと、「自分のものなら、素手で洗っているから、こんなの日常よ」と思って、手袋をしない方もいます。介護職の方や利用者は、医療的な面で勉強しているわけではないので、医学的な知識を本当は学んだほうがいいと思う反面、誰もが難しそうな知識を覚えられるわけではないので、シンプルに「自分と他人のものは違う」と思ったほうがいいのだと思いました。もっと、感情抜きに、適切で、わかりやすい情報が必要だと思います。

      ただ、手袋を1回1回変えて捨てるために、多くのゴミと、多くの購入費が必要です。(洗って何回か使う方もいるようですが、本当にそれでいいのかとも思います。気持ちはわかるのでできるならそうしたいけれど。)また、プラスチックものは肌につけられないというヘルパーさんもいる可能性はあります。その使い終わった後の捨て方も、ただ裏がしてゴミ箱に捨てるだけでいいのかどうか、考えます。今は、手袋1つひとつをビニール袋に入れて捨てています。ビニール袋の大量消費が思ったよりも多すぎることに、少し抵抗がありますが、仕方ないと割り切っています。

      その一連の作業や気をつけることを、利用者だけが気を使って「手袋して!」「直接触ったらダメ!」「終わったら手を洗って!」と注意喚起しても、長続きしないなと思っています。「衛生的によくない」という言い方ではなく、「相手を守るために話をする」というスタンスでいくと、お互いに気持ちよく会話ができるのだと思いました。

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