みなさん、こんにちは。最近、ブログをしばらくの間、休んでいました。実は、昨年の冬から体調を崩し、数年に一度しかなかった片頭痛発作が月1回以上は出る様になり、背中の痛みが激しくなったりしていました。背中の骨が外に突き出ているのではないかと思うくらい、痛くなってしまいました。人間の私が、もしかしたら背中にツノが生えて、恐竜になるのではないかと思うくらいでした。
脳性麻痺は、筋肉が自分の意思とは関係なく、力が入ってしまう病気です。脳性麻痺でなくても、人は心が緊張すると自然と肩がすくんだり、背中の筋肉が固まったりしています。無意識のレベルで呼吸が浅くなったりすると思いますが、脳性麻痺の場合は、もっと感度が良いセンサーを持っており、すぐに筋肉が反応してしまい、それが長い間続くのが大きな特徴です。私は、外から見ると軽い脳性麻痺に見えますが、常に体の筋肉同士が縮んだり、引っ張り合ったりして、生きているだけで筋トレの体を持っています。
私は、4年間ほど社会福祉法人に勤めていました。後半は、昔から夢だった相談室に配属され、障がい者やご家族の方々の生活や福祉制度の利用の相談を受けていました。トイレ介助も十数名の女性スタッフが協力してくださり、相談室に配属される時には、バリアフリーの物件を視野に入れてくださったりと長く働くことができるように配慮されました。正直、ここまで考えてくださるところは、あまりないのが現実です。
利用者やご家族の方々にも恵まれ、退職を決めた時は、「辞めるのもったいないですね。」「障害とまっすぐ向き合う姿を見て、自分もそうしよう、と初めて会った時から思いました。」と話してくださった方もいました。
相談室は電話相談も多く、前の就職活動で編み出した「ハンズフリーフォン」の方法により、受話器を持たずに対応できるため、私も他の相談員と同じように電話対応をしてきました。電話は声だけなので、私が車椅子だろうと、手が不自由だろうと、相手には見えないので関係ありません。相手も遠慮せずに話してくれ、こちらの対応が良いか悪いかで相手の正直な反応が返ってくるところに面白さを感じました。
相談員の仕事は、「様々な人が自身の障害とどう付き合っていきながら、福祉制度などを利用して、どのように周りの人との付き合いの中で生活しやすい環境を作っていくか」を一緒に考えることだと思います。中には、貧困や虐待の問題を抱えている方もいたり、長い年月の間ずっと施設などの決まった場所でしか生活してこられなかった方もいたり、その人個人だけで抱える必要のない社会の問題も絡んでいます。私たちは、そういった大きな問題を、ある相談者の電話や直接の面談をきっかけに感じていかなければならない。電話を一本一本受けるたびに、どっと肩に重たい石が乗っかる感じです。
仕事自体はとてもやりがいのある仕事でしたが、そのほかに、私自身が生きるためにしなければならないことが多すぎました。ヘルパーさんのシフトの管理、急な欠勤への対応、急に怪我で働けなくなり、急遽差し迫った新しいヘルパーの募集と研修など、仕事から帰ってきて、毎月の末には23時過ぎまでシフト作成をする日々。24時間の仕事と言っていいほどだと、今思えば大変だったと思います。
しかし、他の事業所にヘルパーさんの派遣をお任せすると、事業所の都合で時間を変更できなかったり、他の利用者さんにヘルパーさんが回されたりと、振り回されることが予想されるので、仕事を残業することも許されないし、友人と気晴らしに飲みに行こうと当日に予定を立てることもできないでしょう。(理解してくださるところはありますが、時間を変更すると事業所の利益が減ったり、介助者によって予定があらかじめわからないと不安な方がいたりと、現実は厳しいです。まるで、施設の暮らしと変わらない錯覚を覚えるときがあります。どこの事業所も人手不足であることも深刻な問題です。どうしたらいいのか知恵を絞り出さなくてはなりません。)
自分でヘルパーさんのシフトを何から何まで管理することは大変。一時期、もう一つ事業所と契約をしようとある事業所の方とお話をしたら、「外出時間は前の月に予定を立ててもらいます。予定を変更する場合は、介助者によってはあらかじめ知りたい方など色々な方がいますので、一週間前に連絡してください。」「ヘルパーさんがもし急な欠勤となった場合は、誰もこられない場合がことをご了承ください。」などの話があり、大変な状況となっていることを身にもって感じました。
私は、直接、介助者とやりとりして、できる・できないの判断をしてもらったり、誰かが休んだ時に代わりの方を探す仕組みを作っているので、今の私やヘルパーさんが築いてきた体制の方が安心すると思ったのです。本当は、事業所にお任せできるところがあれば良いのですが、その代わりに自由を犠牲にしてしまうことは、私の生活を終わらせたようなものです。
今の私の生活を維持することを一番にすると、体が恐竜化している私は、仕事を辞める決断をしました。障がい者にとって生きづらい状況になっているために、支援が必要な人が多くなってきており、私もそのサポートをしたいと思う反面、その矛先は私の方にも向いています。
これでは、他人のサポートは結果的にできない、涙をレモン汁のように絞り、酸っぱく苦い経験を糧に生きていこうと思いました。
スタッフの方々には送別会を開いてくださり、一生使えそうなクッションをいただきました。しばらくは、自分にムチを打たずに、ゆっくりとやりたいことをやっていこうと思います。そして、自分に合った仕事のスタイルを見つけていこうと思います。
仕事お辞めになったんですね。社会福祉士の先輩として憧れです。まあ無理なさらずいい活動をなさって下さい。
ありがとうございます!
そうですね。無理しないでいきたいと思います。これからもよろしくお願いします!