昨日、札幌学院大学の障害学の講義で、講演をしてきた。テーマは、「障害のある私が考える、一人ひとりが生きがいを持つための考え方~一人ひとりが社会に流されずに何をするべきか~」である。
その日は、本格的に猛吹雪となり、マイナス3度くらいをずっとキープしていたので、ほぼ根雪になりそうだ。写真を撮っておけばよかったと後悔したが、これから2、3ヶ月は雪とお友達にならないといけないので、いつでも写真は撮れる。
さて、その講義内容をYoutubeでアップしたので、お時間のある方は聞いてください。ただ、音楽もそうだが、私の声のトーンとスピードは眠りを誘う気がする。私も眠くなってきた(笑)。下に、文章で内容も載せておくので、動画を見られない方や、まず文章で内容を掴みたい方は、下記をご覧ください。動画の時間も書いておくので、途中からでもOK。
障害のある私が考える、
一人ひとりが生きがいを持つための考え方
~一人ひとりが社会に流されずに何をするべきか~
自己紹介~生まれつき障害者として生活して来た私の視点を伝えたい。
(0:52ころ)
学院大出身
生まれつき脳性麻痺という障害を持ち、日常のあらゆることに介助が必要(トイレ、入浴、着脱、調理、寝返り)
13名程度のヘルパーさんを自分でマネジメント
体を痛めて相談員を退職→ブログで毎日、障害者の視点のあれこれを発信
これまでは「障害があっても、工夫次第でなんでもできる」ことを発信~就職、海外旅行~皆さん楽しんで聞いていたし、勇気をもらったという方はいた。
(9:23ころ)
しかし、周りを見渡してみると、障害者が不利にある状況というのは変わっていない。
「障害者はかわいそう」「障害者を受け入れたことがないので、ちょっと」
「責任が取れないので、外に出たら危ない」「障害があってもポジティブだね。」
それらの言葉は、その言葉を発する人々の思考を作った社会から出てきていると思う。
「他人と違ったら恥ずかしい」「できる人が生きれる社会だ」「しんどいって言いづらい」
それは、まだまだ無関心な人が多いからだと思う。
その理由は様々だが、今時間がある学生のうちに、本当は小学生のうちに、自分自身がどんな状態であっても生きることを保証する社会の必要性を知ってもらいたい。
「障害」は遠い存在だと思ってない?実はそうではない。
(14:31ころ)
学生のうちから障害者の視点を学ぶことで、死ぬまで生きがいを感じる社会にしていく
生身の人間なのに、障害があるだけで社会と相性が合わなくなる悔しさを持ってきた。
それは、障害のある人だけが関係あるのではなく、
皆さんが病気や障害を持ったり、何かのきっかけで生きづらさを感じた時にも
必ず関わることなので聞いていただきたい。
障害って何?人の考えや社会にある。
(15:47ころ)
歩けない、車いすという手段を使って歩く、その手段を受け入れられない人や社会があるから障害が生まれる
生きるということは、選択の繰り返しである。その自由こそ権利。
(18:33ころ)
皆さんは、朝起きてここまで来るまでにどのような選択をしてきたか?
障害は、その一つひとつの選択を妨げるようにして現れる。
私の場合は、ヘルパーサービスを活用して実現する。
これがなければ、施設で決められた生活をしないといけない。
それは人間ではないということを障害者たちが発信して、社会に仕組みができる
皆さんの大きな選択であった大学進学について、
皆さんが、どうして大学に行こうと思ったのか聞かせてください。
(22:30ころ)
色々な理由があるが、みんな大学に行くという意味では一緒。
特に意味はなくても、時々講義をサボる結果になっても、
試験にさえ合格できれば、選択をスムーズにできる自由を持っている。
スタートラインに立つことができる
それでいい。
一度、自分のどこかが機能しなくなれば、社会の欠陥が見える。
(24:47ころ)
しかし、障害があるとどうでしょうか。
車いすでは移動しづらい大学や、ボランティアの仕組みがない大学がある。
エレベーターがあるか?車いすトイレはあるか?筆記ができない場合試験の受け方を柔軟に相談できるか?トイレ介助はどうするのか?
全ての大学が障害のある学生に対応しようという考えを持っていれば、「自分が行きたいところを選ぶことができる」
スタートラインに立つまでに妨げがある
社会の問題を脇に置いて、個人の改善のみを求められる。
(26:46ころ)
障害がある故に、どこに行くにも承諾が必要だった。小学校入学
障害者という枠に括られ、特別な場所に行くことが当たり前。養護学校
学校での介助制度がないために、自分でボランティアを探した。大学
「電動車いす、介助が必要」というだけで「仕事ができない」と思われる。就労
まぁ、行っておこうかという理由では乗り越えられない。みんなが普通にできることが常に「あなたが変わって」と社会に言われて、社会の改善に目を向ける人は少ない。
環境の改善という視点になれば、すぐに可能性は広がって行く。
(32:33ころ)
学院大では、障害者の意見を聞いて、障害者トイレや自動ドア、パソコン室のコピー機の高さなどを検討して改善
小学校では、スロープや広いトイレができ、次世代の車いすユーザーが入学できるように
れいわ新選組の議員が、職場介助者を求める理由
社会に障害がなくならない大きな理由は、一人ひとりの意識の問題だと思っている。
(37:32ころ)
身近な人に理解を広げることで、組織の考え方や社会が変わる。(小学校では先生や校長先生、大学では大学生や先生、学長の気持ちが動き行動が伴った)
大きなことだけでなく、皆さんのバイト先や、これからの働き先で、皆さんもできることがある。
飲食店~車いす同士でも話せる席、食べやすいようにアレンジ、フォーク、スプーンなどの用意、キッチンバサミ事件
飲み屋~取っ手付きのグラス(ストローだと後味が悪い)
何気ない日常の大切さ。障害者の感じている困りごとはその日常で起こっている。
(45:09ころ)
だから皆さんの行動で改善できる。ただ過ぎていた時間が大切になっていく。
すでに生きづらさを感じている場合、それを話せる仲間を探そう。
終了(48:37)