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ミニマリストに出会って変化した、車いす生活

1年くらい前から部屋の片付けをし始めている中で、ミニマリストという言葉を知った。ミニマリストは、自分の持ち物をできるだけ減らし、必要最小限のもので暮らしていく人のことを言う(ミニマリストとはーコトバンク)。大量生産・大量消費の社会で多くのものを購入してきた状態を見直し、自分に本当に必要なものを見極めて、いらないものを手放すことで、選択や処理、分別に割いていた資金や時間を、自分のこれから必要なことに回すことができる。さらに、物理的なものだけでなく、仕事や人間関係、当たり前だと思っていた考え方を見直すための判断力がついていくと、多くのミニマリストは言っている。

今日は、ミニマリストという言葉に出会って、車いすの私の生活がどう変わったのかを考えてみたい。

まずお断りをしておきたいこと

私は、自分が障害者であるとか、明確に社会へ意見を言う当事者であるとか、そう言ったカテゴリーをつける必要がないと考えるため、ミニマリストであるかどうかはそんなに重要ではないと思っている。ミニマリストと表現した方が、私たちの理解を助けるのだと思うが、一番大切なことは、私が大切にしたいことの中身である。障害者が人それぞれ考え方が違うように、ミニマリストと言われている・言っている人もまた、それぞれ違った考えを持っているからだ。

ここ最近手放したもの・行動したこと

9月
👍全ての洋服を出して約2/3減らす👚
👍茶色のベッド上の乱雑に置いた書類たち
👍期限切れの防災グッズ
👍クローゼットの中の使っていないもの
👍机の引き出しの中身
👍一番身近で隠していた本棚
👍アクセサリー💍
👍化粧品💄
👍押入れの書類📑
👍名刺
👍100近くあるのかもしれないファイル📁

10月
👌机の上
👍資源回収へ書類を出す
👍個人情報書類シュレッダー半分くらい
👌キッチンのテーブルの上
👍キッチンの棚の上
👍食器
👍食事用トレイ
👍コースター
👍年賀状仕分け
👍実家にある書籍📚
👍実家にある小さなぬいぐるみ

12月中までの予定だったがやってしまった
👍使わないラックを作る 大きいもの
👍ヘルパールームへそのラックを移動
👍メタルラックを片付ける
👍クローゼットにかけるものをスーツと冬上着だけにする
👍プリンターを手放す
👍着物を手放す

Youtuberのかぜのたみさんの片付け計画の動画を見て、自分のスマホに計画を書き、そのまま実行してきた。実行したことには👍マークをつけた。そうすると全ての本棚の下の段は空っぽになった。カラーボックスとメタルラックは他の人に寄付をした。

片付けをすると、大量に同じものが出てくる。私の場合は、クリアファイル、ポケット付きファイル、割り箸、ストローなど。

クリアファイルは100枚くらいは出てきている気がする。書類を片付ければ片付けるほど、クリアファイルが大量に出てくる。こんなに大事にしまっていても、結局、何をしまっているのかといった記憶は抜けていて、見返すことはなかった。そこで初めて知るようになり、今度からクリアファイルにしまうのは、自分の身近にあるものだけにした。

片付けによる、車いすの私の生活への変化

一般的な変化は、①大きなものがなくなったり、押入れがカラになったり、本棚の下の段は何もないので、掃除がしやすくなったこと、②探し物をする時間がなくなったこと、③自分のやりたいことに時間を使えるようになったこと、④すっきりした景色を見て、気持ちもすっきりできること、⑤着る洋服などの選ぶストレスと時間を節約できたことなどである。

私からは、車いすを利用していることや、介助のためにヘルパーさんと生活していることに関連した。ミニマリスト的変化をもう少し詳しく伝えたい。

  • 本棚の上段のみにものを置くようになって、車いすの高さから見やすくなった
  • ヘルパーに掃除をしてもらうときに、ものを避けながらモップをかけることが少なくなったので、ものを触られるストレスがない
  • ヘルパーがものを探しやすくなり、こちらから細かい指示をしなくて済むようになった
  • 使っているものが決まっているため、こちらから「何を選ぶか」を指示する回数が減った
  • 複数のヘルパーさんに伝える面倒さがなくなった
  • 毎日のルーティンとものの位置に迷いがなければ、本来もっとしたいこと(マッサージなど)に時間を使える

このように見てわかるように、私の生活は自分一人だけで成り立っているわけではない。常に、ヘルパーさんに伝える内容や伝え方を考えていて、頭の中は忙しい状態である。調理の仕方を伝えるだけでも、ぼーっとしながら、Youtubeを見ながら、野菜を包丁で切ることもできない。切り方や使う道具などを伝えて、自分好みの味を作っていく。そこで、道具があちこちに散らばっていたら、指示するだけでも慌ただしくなる。

余計な苦労は極力なくしていくことが、私のミニマリスト的な考えである。

ものと自分の気持ちはかなり関係している

前は書類やいろいろなものを机の上などにおいていたが、それは自分にとってよく見えるが、取りにくかった。自分のテリトリーに他人を入れたくなくて、わざとごちゃっとおいて、その乱雑さを整理整頓されるとイライラしていた。ヘルパーさんは、ものが曲がっていたりすると整えようとする人も少なくない。本人が明らかに求めているのならいいのだが、言われていないのにやられてしまうと、乱雑なものに囲まれる心情(安心感、心のバランス)も乱されたようで、土足でふみこまれた気持ちになってしまう。

皆さんの中にも、旅行でホテルに着いたら、まずは荷物を出して、自分のもので部屋を埋め尽くすことで、慣れていない部屋でも、自分の部屋にいるような感覚になったことはないだろうか。ゴミ屋敷と言われている部屋に住む人などの特別な人のことだけでなく、旅行のときのそれと似ている気がする。

手放し作業は、自分のことだけ。他人には強制しない

私は、常にヘルパーさんといるので、自分だけの生活ではない。家族や夫婦で生活しているミニマリストは、他の人はミニマリストではないので、強制はしない。自分の周りのものだけを手放していくことが大切であると話す。

私も、ヘルパーさんのために、布団や暖房器具は残しておくし、机やハンガーなども取っておいている。ヘルパーさんのことも含めて、自分にとって必要なものを残していくことが不可欠だ。

ものを減らしていく代わりに、他人が持ち歩いているものの多さに違和感を感じることもなくはないが、人の生活は自分の生活ではない。そう思えるのは、ヘルパーさんも、私の生活に対して介入してこないからである。介助が必要だから生活を見せなくてはならないが、ヘルパーさんの生活に合わせることは(しかも複数いるので)無理なのである。そしたら、自分の生活を確立していくしかない。

今は、今。未来は、未来。

今はこんな生活を目指しているが、これからはどうなるかわからない。今は広い部屋に住んでいるが、また小さい部屋に戻るかもしれない。そしてまた広い部屋に戻るかもしれない。それは、仕事や生活、誰と住むかによって変化していくし、社会も変化していくからだ。ゆるくやってみたり、思い切ってやってみたりしながら、「あ、これは気持ちいい」という小さな自分の中の変化を楽しむことが、生活の改革のいいところである。

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