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タモリさんから学ぶ人材育成

ある日、片付けをしていたら、2014年4月に書いた文章が見つかった。当時、私は29歳で、今のようなヘルパーチームの体制が始まったばかりの頃だった。ヘルパーのことを考える時間は、私の生活の大半の時間を占めていた。

4月がスタートして新しいヘルパーさんが来られるようになって、安心するのもつかの間に、新しい若い子の育成に少し不安を感じていた。

5年ほど付き合いのあるヘルパーのNさんに、自分の作ったヘルパーのシフトを眺めながら不安の声を漏らしていた。かれこれ私が20代前半からお付き合いがあり、ヘルパーとして細く長く関わってもらっている。

研修をしたのは良いけれど、その後体調を壊して休み、次の来訪の日まで数日空いていたが、その間に一度も連絡が取れないというのは、一抹の不安を感じていた。以前使っていた事業所でも、急に無断で辞めていく人も多いと聞いていた。

自分の身を預けたり、自分の生活をさらけ出す以上は、ヘルパーを信頼しないといけない。厳しく言わないと伝わらないことだってある。でも、誰にでも良いところがあって、そこを褒めて伸ばすことも必要だけれど、どうなのだろうか。

そんなことをぐるぐると考えていた。

そういえば、前日は、笑っていいとも!の最終回だった(31年半の間、平日のお昼に毎日やっていたお茶の間のバラエティ番組)。トークコーナーのゲストがビートたけしで終わると聞いて、見たかったのに忘れてしまっていた。

「ヘルパーさんには厳しくいうときは言わなきゃね。言わないとわからないもんね。はぁ。」とため息をこぼしていたら、Nさんが「そういえば、笑っていいとも!の最終回を見たんですけれど、レギュラーメンバーがタモリさんに感謝のメッセージを言っていました。みんな言っているのは、タモリさんに一度も怒られたことがないって、タモリさんの背中を見て育ちましたって。香取慎吾が遅刻をしたときに、頭下げてすいません!って謝ったら、「次、気をつけてね」ってさらっと言ったんですって。その時に香取慎吾は、この人に見捨てられたら終わりだと思って一生懸命やらなきゃって思ったんですって。タモリさんは、俺なんて全然適当にやっているからって言っていました。そんな考え方もありますって伝えたくなりました。」と掃除をしながら話してくれた。

私は、「Nさんは今、元気にしているかなぁ。」と懐かしくこの文章を読んでしまった。タモリさんは、最後まで色々な番組に引っ張りだこだ。適当にやっているように見えて、きちんと考えている気がする。でも、やっぱり適当にやっている気がする。

タモリさんから「心の広さを持つ適当さ」と「人を信頼すること」を学んだ。これもまた、私がおばあちゃんになるまでに身につけよう。いや、意識して身につけられることじゃないのかもしれないと、また頭の中で、ぐるぐる考える34歳の私でした。

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