今回の東京の旅では、文京区に滞在しました。文京区は坂の多いところのようで、道もちょっと広いところもあれば、人一人通れるくらいの狭いところなどが入り組んでいます。
女性の電動車椅子ユーザーの方のお宅にもお邪魔し、東京でのヘルパーさんを使いながらの暮らしについて、話しをお聴きしました。東京は23区それぞれで福祉サービスの支給量の認め方が違うようです。役所の担当者によって、必要性を話しても受け入れてくれない人や親身になって聴いてくれる人などの違いが出てくるところは、もしかするとどこの地域も一緒なのかもしれません。ただ、東京や大阪などでは24時間介助が必要な人に1000時間以上も認められた人がいるのに対して、札幌は720時間から超えることはありません。もちろん、1000時間が認められるには相当の交渉が必要で、最近は厳しくなってきていると言います。大阪では、弁護士を立てて時間交渉をしてきた方もいるようです。私も10数年前に、1ヶ月90時間しか認められなかったことがあり、これでは一人暮らしなんてできないと訴えたことがありました。弁護士は立てていませんが、1日で必要な介助時間を緻密に計算し、数字で示していったのです。現在は、サービス等利用計画を事業所が立てるようになってからは、そのような役所との直接交渉はなかなかできなくなってきたように思います。

今回、東京での日中の介助は、文京区にあるスタジオIL文京さんにお願いをしました。アメリカの研修の準備からお世話になっている齋藤明子さんを通じて、ご紹介くださり、半年前から打ち合わせをさせていただきました。関根さんという当事者スタッフの他に、コーディネーターの方がおり、「うちはもっぱらコーディネーターしかいないのです。」とおっしゃっていました。どの方も色々な経験を持っていて、話が絶えません。東京でもヘルパー不足は深刻な問題で、大学でのビラ配りは以前はしていたものの、最近はビラ配りを禁止しているところが多くなってきたとのこと。あの手この手でなんとか探しているそうです。中でも、面白かったお話は、劇団に入っている人や落語家の人が、空いた時間でバイトに入っていて、ヘルパーで利用者の介助に入っているときに、たまに落語が始まるんだとか。福祉の仕事の世界だけでなく、なるほどそういう人たちにも呼びかけてもいいかもしれないと思いました。東京には、色々な背景を持った方や、文化を極めるチャンスがある場所なので劇団の方も多いのでしょうね。
スタジオIL文京さんから4名のヘルパーさんを派遣してくださり、東京のあちこちに出かけることができました。人手不足の中、本当にありがとうございます。