ご家族・すべての方へ

災害時に必ず必要なこと〜北海道胆振東部地震を受けて

201896日、夜中の38分に大きな地震が起こりました。

北海道胆振地方の厚真町で、道内で過去最高の震度7

札幌も震度5の地震が起こり、アラームと共に続く大きな揺れで、

ベッドに寝ていた私は柵にしがみつきました。

泊まり介助のヘルパーさんがいたため、すぐに車椅子に乗りラジオをスタンバイ。

その後、すぐに電気が停電し、急いでランタンをつけたのです。

もし、ヘルパーさんなど誰もいなかったら、ただただベッドで寝ているしかなく、

どんな状況なのか全くわからないまま過ごしていたでしょう。

非常用のライト、ラジオ、水、ガスボンベ、ガスコンロ、ガスストーブを

用意していたので、しばらく停電や断水が続いても、精神的に落ち着くことができました。

ただ、携帯電話の充電ができず、ポータブルバッテリーも満タンではなかったため、

いつまで続くかわからない停電に不安を感じました。

マンションではエレベーターが泊まり、停電まで動けない状態。

夜が明けて日中も停電で、もしかすると最低2日間から一週間はかかるという情報も流れ、避難所に行く時が来るのではないかと、一晩過ごせるグッズをリュックに詰めて、手動の車椅子のタイヤに空気を入れておくことに。

私は、電動車椅子を使っていますが、重くて5階から電動車椅子を下ろすわけにはいきません。

私のアシスタントのチームミーティングでも、23年かけて災害時の行動について話し合ってきましたが、いざ震災が起こると連絡が途絶えてしまったり、それぞれのアシスタントの家族のほうも心配であったりと、どのように動いていいか緊張して考えていました。

しかし、災害伝言ダイヤル171を利用したり、Googleグループのメールで連絡を取り合ったりするなど、アシスタントとの連絡の手段を複数持っていたおかげで、それぞれが携帯電話の通話やメールを使ったり、携帯電話のバッテリー切れや電波がない地域にいる場合に、公衆電話を使ったりと対応できました。完璧に準備できていたわけではないけれども、これまで話し合ってきたからこそ、ここまでイメージができたのかなと思います。

家族や友人、アメリカに住んでいる友人とも連絡を取り合ったりし、無事の確認と「何か協力することはないか」と声をかけあうことができました。道外や国外にいる人の方が、インターネットやテレビが使える分、情報を拾うのが早かったようです。

停電でマンションのエレベーターが動かず、自宅から自由に出られない私にとっては、連絡手段を持つことで多くの情報を得ることができました。

ニュースにも出ていますが、ライトや電池、水の確保、携帯の充電などができず、困っている人が多くいました。スーパーやホームセンター、コンビニ等に長蛇の列ができ、携帯電話の充電を無料提供し始めた携帯電話会社や役所で長時間待つなど、札幌では考えにくいことがおきました。

 

外の雰囲気は日常ではない空気が漂っていたそうです。

小さいお子さんをおぶっているお母さんもスーパーの入り口の前の列に並んで、紙おむつを探し求めてきていました。お客さんの混乱を招くために水や簡単な食料しか置かないところが多かったようで、ようやくお店に近づいてから紙おむつを売っていないことがわかり、引き返した人もいたそうです。

日本人や外国人旅行者がスーツケースを引きながら、あてもなくさまよい歩いていたり、「大丈夫ですか」と声をかけると「うるさい!」と正気じゃない返事を返す人もいたり、信号が動かないまま、警察が配置されていないところは、車や人がお互いにサインを出していました。そんな中で、スピードを出してくる車もいたりと、外を歩くのも怖い状況だったようです。

北海道ではあまり災害が起きないと思われてきたので、災害のための準備が必要と思いながらも、油断はしていたと思います。ことが起こってから調達するのではなく、事前に準備をしないと、必要なものをほとんど得ることができません。

被災中に自分で描いてみた。冬は、ポータブルストーブも必需品。

 

最低でも、水、ライト、電池、携帯の予備バッテリー、さらに、私の場合は車いすのバッテリーを充電しておくこと、家族や職場の人、ヘルパーさんとの連絡体制を作っておくこと、ラジオをすぐつけられる状態にしておくこと、そして、トイレが使えない場合に、携帯用トイレまたは普通のトイレに設置する吸収用のシートが必要になります。(お風呂に水を貯めるなどして余裕の量があれば、バケツで水を汲み、便座に流し入れて手動で流すこともできます。)

トイレの便座に袋をかぶせ、吸水シートを入れておく。 水が使えなくても、いつも使っているトイレで用を済ますことができる。

 

地震発生後、1週間以内に震度7に近いものが発生する恐れがあると言われていたり、実際に、体に感じる余震や微力な余震が何十回も起こり、寝ても寝た気がしない緊張状態が続いていました。

ここで押さえておかなければならないのが、

被災してしまうと、どんな人も平常心ではいられないということです。

だからこそ、事前の準備を一人一人が行うことが必要で、それでも助けてほしい時は誰でもあるし、「助けてもらわないといけない」こともあるということを頭に入れておくことが必要だと思いました。

私は、避難所に行ったほうがいいのかどうか、正直迷ってしまいました。

その件は、次回の記事に書きたいと思います。

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