本・映画・作品の感動

くじらブックス&Zou Cafeさんで、ウンチの本

関西も暖房が必要になってきた今日この頃です。
白だしのうどんや、たくさん出汁を吸ったおでんの季節になりました。

その頃、私は、まだ半袖で過ごせる沖縄に行ってきました。
とてもとても暖かくて、天国のような場所。
ヤシの木やバナナの木、大きなハイビスカス、海の匂いがする風をたくさん感じながら、
今回は、ある書店さんで「ウンチを出して「車いす」を脱ぐ」のイベントに伺いました。

自費出版で本を出してから約1年。
想像以上にたくさんの方に関心を持っていただき、
イベントを開催していきたいというお声がけをいただいてきました。

 

11月は、沖縄の南部、八重瀬町にある「くじらブックス&Zou Cafe」さんです。
沖縄に住んでいる友人が私の本を読んで企画してくださいました。

私は最初Instagrampodcastで、くじらブックスさんを拝見しており、その時から「沖縄の土地に根付き、沖縄の人々に馴染みのある本屋さん」という印象を受けました。

店主である渡慶次(とけし)さんからおすすめされていた『翡翠色の海へうたう(深沢潮著)』は、従軍慰安婦をテーマに、当時の様子を生々しく読み手に突き出しつつ、その時代に生きていない私たちがその当時の人々にどう向き合っていくのかについて深く考えるきっかけを与えてくれました。

 

昨年にウンチの本を出した時に、沖縄で子どもホスピスをしている宮本先生にも本を買ってくださり、その先生がくじらブックスの渡慶次さんに渡してくださったのです。

それからありがたくも、くじらブックスさんの棚に置かせていただくことになりました。

イベントでは、私としては初めての読書会と、後半は、本を読まなくても参加しやすいお話会の2部構成でした。

読書会では、皆さんは私の本をしっかり読んでくださり、
思い思いのことを話してくださいました。

「ウンチ」という表現に度胸というものを感じたけれど、タイトルの印象以上に、読者自身にも関わる大切なことであるということを感じてくださったり、自分自身の人生の節目の最中で、本と出会って「はたして自分自身と向き合っているのか」と考えさせられたり、「あなたはどうしたい?」と子どもたちに問いかけてきたのだろうかと振り返ったりされたという話をお聞きしました。

お話会では、「私の体との向き合い」というテーマで、参加者の方々からご自身の経験を交えてお話しくださいました。

子どもを育てていらっしゃる方が、家事に追われて、ほっと一息ついたときに、自分自身をいたわってあげることが大切なのだということや、70代のご夫婦や、その友人の方々が「倒れて、救急車で運ばれて、その後に何かを確かめるように、私のプライベートのことを質問されて、お医者さんに何か試されているような感じがした」というお話や、「ウンチの本の主人公はまだまだ若い。自分の若い時と同じだなぁと思った。今はこれから老いと向き合っていくのだから、これからいろいろな変化がある」と教えてくださったり、それぞれの方が自分の体や気持ちに素直に向き合っていく、そんな素敵な時間を過ごしました。

 

宮本先生がおっしゃっていたことが、私にとってはとても大切な考え方でした。

それは、「自分がどう変わっていくのか、周りを含めてどう受け入れていくのか」についてです。

塑する思考(佐藤卓著)』の中で、2つの変わり方について表現していたようです。1つは、「笹の葉のように、風に揺られながら、柔軟に変化していく」、もう一つは「粘土のように、ぎゅっと指でそこを押したときに、その形は戻らずに新しい形として変わっていく」ということ。

私はその話を聞いて、どちらの変化も経験したなぁと思い出しました。

私の自宅に、そしてプライベートの空間に常にヘルパーさんが毎日ひっきりなしに来る生活。それは家族や友人と毎日顔を合わせて一緒に住んだり、会ったりするのとは少し訳が違います。

私自身がしたいこと、それは生きるためにトイレに行く、お風呂に入る、着替えをする、ベッドで横になるといったことや、外出をする、旅行に行く、何かを学びに通う、友人の家へ遊びに行くといったことを含めて、そこには必ずヘルパーさんがついてくることになるのです。

例えば、料理1つにしても、ヘルパーさんの料理の経験によって、こちらが説明できたとしても、食事のあり方が変わってくることがあります。あまり良くないことになってしまいますが、ヘルパーさんがあまり料理ができない場合、それに合わせて作れるものを考えるということがあります。この場合は、こちらが相手の状況によって柔軟に合わせていくことに近いです。一方で、可能性が広がることとしては、作ったことのない料理を作ることができ、それを取り入れていくこともあります。それは粘土の形が変わっていくことに近いと私は思っています。

とてもポジティブに考えるヘルパーさんと一緒にいたら、何でもできるような気がしてきます。一方で、何でも心配してしまったり、失敗することを恐れているヘルパーさんと一緒にいたら、冒険することがちょっと難しくなってきます。それは、実際に動いてもらうのは、ヘルパーさんの手であることが多いからです。例えば、新しい料理に挑戦していこうと思っても、こちらがたくさん説明をしても、恐る恐るで手を動かしてくれなければ進まないですし、スカートを履きたいと思っていても、着脱の方法がうまくいかないのではないかと心配していれば、どうやったらできるかを考えることができません。

いつも、その時、その時、柔軟に変化したほうがいいのか、それとも自分自身は意思を曲げずにできるように考えていくのか、そういったことを決めなければいけない状況に立たされます。

 

その分、自分で決めることの大切さ、どうやって決めたらいいかという知恵、どちらにしても何とかなるさという楽観的な気持ち、予定通りに行かなくてもできたことを認めていく許容力、そういったことを鍛えることができたことはとても大きいです。

その時その時一生懸命やっていたので、こうやって時を経て、新しい方と出会い、考え方を学ぶことで、私の過去の経験を新しい視点で見ることができたのは、私の人生にとってかけがえのない経験です。

 

くじらブックスの渡慶次さんには、たくさんの励ましの言葉をいただきました。ウンチの本は、子どもの本のコーナーに置いても良さそうだと言ってくださり、児童コーナーを案内して「ここに置けると思うよ」と言ってくださったのです。そんなふうに具体的にイメージをしてもらえるのは本当に嬉しいことです。

イベントの前には、カフェのカレーを食べさせていただき、カレーができるまでの間、本棚を色々と見て回りました。たくさんのジャンルの本が置いてあり、その本の選択も、来るお客さんの探している様子やお客さんとの話の中で、興味のありそうな本を置くようにしているのだそう。来るたび来るたび、自分の好きな方が増えていく本屋さんはとても素敵だなと思いました。

 

楽しくおしゃべりもさせていただいて、
ご家族が作ったお手製のおいしいカレーを食べて、
イベントに臨んだのでした。

 

大変お世話になりました。

また、つながれることを楽しみにしております。

 

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