つぶやき

書くことは自分の散歩、人生の旅

2023年6月2日、私は自分の本を出版することを決めた。

これまで十何年も書きためてきたけど、出版してくれる会社に交渉するほどのパワーはなかった。だって、日々の生活でいっぱいいっぱいなんだもん。それに、自分の書いたものがどれだけ役に立つのか、全然自信がないし。

そんな中、一般社団法人わをん・事務局長の嶋田さんと話していたら、「ブログもいいけれど、ブログは終わりがない。本は終わりが見えるし、区切りがつく」という言葉を聞き、私は自分の書いたものを形にしていきたいと思った。

 

そこから、私の本の執筆の旅が始まった。

 

もちろん、出版会社が見つかればいいけれど、相手も他のお客様がいるし、かなり価値があると認めてくれなきゃ、話を聞いてもらえないのが普通である。私は、そこまでの勇気はなかった。でも、文章、いや、言葉をひたすらつなげて形にしていきたいという変な欲だけがあった。

 

2023年6月8日、書こうとするのではなく、自然に言葉がわき上がってくる。

「読み終わらない本」(若松英輔著)の本を読むと、執筆意欲が突然わいてくる。

書こうとするのではなく、自分の「いのち」から自然に湧き上がってくるのが書きたいことなのだという。ワードで縦書きで書くと、タイピングをしていて気持ちが良い。新しいパソコンのキーボードも手に馴染んでいるからありがたい。キーボードを打つたびに優しいパチパチパチと言う音が聞こえて気持ちがいい。少しでも数秒でもいいから原稿に向き合う。もし文字が進まない時、思い切って消すこともできる。自分の中に言葉があることを信頼して初めて、私は自由になれるのだ。

 

2023年6月11日、第一章を書き上げた。

最後の方で止まりかけたが、楽しい方へシフトしたら、最後まで書けた。

Youtubeで小山薫堂氏と谷川俊太郎氏の対談を見る。惹かれて2回も見ている。「自分の中に、どれだけ他者を含められるか」がクリエイティブを生み、承認欲求に答えるには必要だと谷川俊太郎さんが話していた。谷川俊太郎さんは女性と出会って、奥さんと暮らして、他人の人生も複雑であることを初めて知ったという。それまでは自分のことしか考えていなかったけれど、他人を含めるようになったという。私はヘルパーさんと時を過ごすことで、他人の人生を垣間見ているが、それは当たり前のことじゃなかったんだと思った。

「私の生活改善運動」(安達茉莉子著)の本をまた読んでみて、第二章は、前に書いたものを横に置いて、最初から書き直そうと思った。

 

2023年6月26日、本の形を考える。

本の仕様についてじっくり考える。株式会社イニュニックに、紙見本の問い合わせをする。相談も細かくできるのかも聞いてみる。字の大きさ、余白や文字数、行数など考えてみると、読ませ方が変わってくることを発見する。

「私の生活改善運動」(安達茉莉子著)を再び開き、文字の大きさや行数、行間、周りの余白、ページ数の位置、ページのタイトルなどの位置をものさしで測り、「←14mm→」などと鉛筆で書き込んでいった。いつも気にしていなかった、本の作りについて、調べていくうちに、本が読むためのものだけでなく、なんか、芸術のような、建物を設計しているような気分にさせてくれた。

 

2023年7月29日、本文はほとんど終わり、表紙に取りかかる。

procreateやindesignの使い方を習うばかりであまり進まない感じがあるが、表紙のフォーマットは作る、イラストをちょっと書いてみるということはやっている。wordのテキストをindesignに流し込むのも2回目の挑戦。グリッドフレームへの入れ方(青い方眼)はわかっても、wordの見出し書式(小さなタイトル)などが反映されない。私、大丈夫か?でも少しずつ進む。いちいち汗ばむ。

 

2023年8月11日、安達茉莉子さんの本を久しぶりに開く。

特に読むページを決めずに、たまたま開いたところを読んでみた。茉莉子さんは、本棚や洋服を一から自分で作ることで、自身の生活の何かを取り戻していったのだと思う。私にとって、本を一から作る作業は、過去の私を料理し直す作業な気がする。過去に色々あったけれど、それを食べて消化できるように美味しく料理することで、また食べた後に自分の肥やしになっていく。

表紙も何度か描き直し、少しずつ納得いくものになってきた。今は、校正を頼んでいるので、しばしのお休み。今度は、出版記念パーティの準備かな。

 

2023年9月3日、焦るけど、じっくり考える。

今日は一日中、kindle出版のことを調べていた。読んでほしいと思っている人の中には、本を開けない人もいるからだ。安達茉莉子さんの生活運動の本を再び読んで、「こしらえる」ことのあたたかさと特別感のところで、私自身も自分の本に対して愛情があるのだということに気がついた。本当は自費出版に慣れていなくて、わからないことばかりで大変だという思いでいっぱいだった。でもそれは愛情を持っている証拠なのだと思った。果たして300部売れるのか?とても弱気になり、200部にしようかと考え直している。いや、これをきっかけに、手売りで出かけていこうか。じっくり考えよう。焦りではなく愛情を持って。

 

2023年9月下旬に、自費出版します!

本を作っている間、書ける時に日記を書いていました。やっぱり、その都度、書いておくって大事。その時の私の呼吸まで感じられる。なにより、すぐコピー&ペースとして、少し直して完成するのだ。目的はないけど書いてみるって大事。

さて、本当に今、印刷会社に納品するための最終調整をしています。

あ〜、早く、出版作業に慣れたいですね。

自費出版は大変ですが、本作りに最初から最後までかかわれるので、世界が変わるくらい楽しいです。

また形になったら、お知らせいたします!

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