ヘルパーといい関係を保つことは難しい。正確にいうと、関係性を良くするには相手の協力も必要になってくるから、こちらの努力にも限界があるから無理もない。むしろ、自分の気持ちとの戦いが1番のポイントになってくる。自分がコントロールできる部分ってそこだけだからだ。
ヘルパーに注意しても返事がないとか、他の利用者のところで大変だった話を聞かされるとか、感情的になって急に怒ってきたりすることは少なくない。介助ができるから働いてくれているのだが、慣れてくるにつれて、コミュニケーションに意識を向けなくなってくる。それは利用者側も然りだが、利用者はたいてい自分が生きるためにも、ヘルパーとのコミュニケーションや自分の気持ちのコントロールをすることを迫られる。そこの差を言葉にするのは細かいかもしれないが、違いがあるのが現実である。
自分の家で嫌な態度をされていい気持ちがする人なんていないだろう。むしろ、ヘルパーは自分の家に帰れる。嫌な空気や、それで沸き起こるモヤモヤは、結局、家主がなんとかしなきゃいけない。
向かっては行けない方向は、利用者自身がヘルパーのご機嫌を取ったり、ヘルパーが楽に仕事しやすくなるように、自身のやりたいことをやらないようにしてしまうことだ。自分はお世話になっているのだからといって、「これって私が悪いの?」と0.1%でも感じたことを忘れようとしまうことだ。物事には必ず一方だけが改善を強いられることはほとんどない。しかも自分の生活のことだ。家主として、生活の主人公として伝えるべきことは伝えた方がいい。
でもね、そこが1番難しい。イライラして言ったところで、相手は聞く準備ができていないことが多いから、自分が疲れるだけである。その時、以前の私は無になろうとして、相手に伝えること自体を諦めていた。ちなみに、イライラすると筋肉が固まってしまい、障害の特性上でも、さらに筋肉の縮こまりが強まってしまう。それだけを避けるために、無になることを頑張った。結局、この努力は相手に伝わらないし、自分にもいいことなど一つもなかった。今は、自分の感情は自分が1番認めてあげることにしている。「こういう状況にいたら、そりゃそうなるわな」と自分で自分を慰めると、少しは気持ちが楽になる。イライラするには理由が必ずある。だから、その理由を認めてあげるのだ。
その上で伝えるべきことを伝える準備をする。一度、日記帳やスマホに書いてみるのもいい。同じ境遇の友人に話を聞いてもらうと気持ちの緊張がほぐれる。それまではイライラという感情が表立って、何も考えられなかった状態から、落ち着いて本当に大事にしたいことに絞って考えられる。
自分を下げる必要はない。ヘルパーにもいろいろな人がいるから、個々の色でokよ!ということもあれば、これは困る!ということもある。それを見極めていくには、自分の生活を第一に考えて、助かってるなーというところは「ありがとう」と言い、直してねーということはしっかり伝えればいいと思う。