冬がだんだん近づいてくる頃、 なんだか気持ちが落ち込んできたり、 体が疲れてきたり、イライラしたりしがちである。 きっと、季節の変わり目は、体や気持ちの状態が変わってしまいやすくなるのだろう。
私は、自分のことを考える前に、周りのヘルパーさんの状態で季節の変わり目の大変さを知るのである。 どういうことかと言うと、私の家には毎日いろいろなヘルパーさんが代わる代わる来ることで、 そのヘルパーさんたちの日々の体調や声の調子などにより感じてしまうことが多いのである。もちろん、それは仕方のないことなので、あれこれ言うことはないのだが、さすがに365日いろいろなヘルパーさんが来ると、それぞれのヘルパーさんの状況に私の気持ちまでもが引っ張られてしまい、知らないうちに疲れてしまうことがあるのだ。 それが行き過ぎてしまうと、今度は私の体や気持ちの状況までもが悪くなってしまう。日々生きるためにヘルパーさんに来てもらっているし、イライラした気持ちを他のヘルパーさんに当たってしまうので、自分の状況が悪くなってしまうのはなるべく避けたいものだ。
ヘルパーさんの状況は私にはコントロールできない。たとえヘルパーさんに来てもらう生活をしていなくても、社会の情勢や職場の人間関係、家族の中のことなどは、自分でコントロールできない範囲でいろいろ変化していく。だから、そういった周りの環境によって、自分の状況が悪くなってしまったときの対応方法について、何とか身に付けていきたいと思っている。
その一つが、まず、「自分の状況をしっかり把握すること」だ。
気づかないうちに、自分のパワーがなくなっていた、と言うことにならないようにするために、「自分のベストな状況を知っておくこと」が大切だと思う。
私の場合は、頭痛がない状態やしっかり呼吸ができる状態のときは、かなりベストな状況だと言ってもいいと思う。これまで、頭痛があることを鬼のように憎んでいたが、最近は自分の大切なサインだと思うようにしている。他にもベストな状況を挙げてみる。たとえば、集中力がある、眠気がない、遊びも大事にする、好奇心が湧いてくるなどだ。
もう一度整理すると、私にとってベストな状況は、 以下の通り。
- 頭痛がない
- しっかり呼吸ができている
- 集中力がある
- 眠気がない
- 遊びも大事にする
- 好奇心が湧いてくる
次に、「自分のベストな状況が崩れてしまったときに、立ち止まって考えること」。
そこで、自分の頭の中の会議が始まる。その名も脳内会議。 会議にはいろいろなメンバーがいる。たとえば、
- 自分だけのことを考えるわがままな人
- 周りのことを気遣って考える人
- 体に現れるサインを見逃さない健康第一な人
- 過去の経験から、今を分析する頭のいい人
- 直感を働かせる人
- 食べ物について考える人
- 生活の環境について考える人
- 働くことについて考える人
- 自分の感情を一番に考える人
- これからの人生について考える人
などがいる。 こう考えてみると、会議にはたくさんのメンバーがいる。たくさんいすぎて決まらないのではないかと書いてみて不安になった。
でも、何かにぶち当たったとき、 1人の私として考えるより、自分の中にいろいろな人がいて、これからの選択を考えようとするときに、 いろいろな見方からじっくり考えることができると思う。今の状況が起こっていることについて、自分が悪いと考える必要もなく、また、相手や環境が悪いと考える必要もない。 冷静に考えるということは、 いいか悪いかとか、どちらが悪いとかではなく、いろいろなことを天秤(てんびん)にかけて、「自分は周りの環境とどう付き合っていくか」について、そのときの方向性をやっと選択するということだと思う。
私は、今回は、というか今回も、「自分の体のサインを大事にしよう」「ゆっくりこれからのことを考えながら、今できることをしよう」という結論に至った。 そこまで行き着くのに脳内会議ではいろいろな発言があった。
「最近頭痛が多いですよ。ストレスなんじゃないですか。」
「季節の変わり目だからね、もう少し長い目を見たらどうでしょう」
「もっと自分にわがままになったらどうですか。いつも頑張ってるんだし」
「いやいや、現実的には、日々の生活を回すことが必要ですから頑張らないとね」
「そうも言ったって、限度がありますよ。」
もし、自分に納得がいく結論にならなくても、とにかく今この瞬間の答えを出しておく。そして、その脳内会議はまたいつでも開けるという安心感を持って、 まずは様子を見てみるということも大事だと思う。