ヘルパーさんを利用しながら生活をし始めて、15年ほどになります。20代の最初は、何を頼んでいいかもわからなかったです。今では、やっと慣れてきたかな〜と思うほど、まだまだわからないことばかり。これからもずっと悩み続けていくだろうなと思っています。
私生活に、「いろいろな他人」が入ることは大変なこと
今日は、ヘルパー生活で迷うことを10個挙げてみたいと思います。
そもそも大変なことは、「私生活に『いろいろな他人』が入ること」です。家族や恋人、ルームシェアをしている友人とは違って、その日その日のシフトで、いろいろなヘルパーさんが交代で来ます。私のように、毎日3交代でヘルパーさんが来る生活をしている人もいれば、週に何度か2時間だけヘルパーさんが来る生活をしている人もいます。どちらにしても、ヘルパー事業所がシフトを作り、ヘルパーさんを派遣するため、どんな人がいつ来るのか、自分で決められないのが普通です。
自分の家は、どんなところよりも、安心できてリラックスできる場所であるはずです。世の中には、一緒に住んでいる人によっては、リラックスできないと思っている人もいます。「お父さんと口を聞きたくない」という一時的なケンカもあれば、本当に傷つけられるなどの虐待などの場合もあります。事態が深刻であるほど、幸せとは言えませんね。一緒にいられない状況であったり、お互いに離れて生活をして良い関係を続けていきたいといった状況になったりしたとき、離れて暮らすという選択肢も出てきます。ヘルパーさんではなくても、そもそも家族や友人であっても、一緒にいることが難しいときもあります。
自分の家には、学校や職場などの人に見られたくない空間や、身内であっても邪魔されたくない空間があります。どれほど散らかっていようが、片付けを後回しにしていようが、誰にも注意されないか、身内だけが知っているというのが普通です。仕事から帰ってきたら、他人に見せる「社会の顔」をやめて、外では見せられない「個人の顔」になることができる場所でもあります。そこに、いろいろなヘルパーさんが代わる代わる来るとしたら、どういう顔をしたらいいのでしょうか。迷うことの一つです。
そのように考えると、「いろいろなヘルパーさんが時間で来る」という生活は、普通の生活と比べると、自然な生活ではないといっても良いと思っています。どんなに自由に生活しようと思っていても、ヘルパーさんには明るい人や静かな人、料理の上手な人や苦手な人など、いろいろな人がいるので、どうしても生活の仕方がその日その日で違ってきてしまいます。
静かなヘルパーさんがいるときは、ゆっくり落ち着いて過ごすことができる、明るいヘルパーさんがいるときは、話をしたい気持ちのときにその人と相性がすごく合う、料理が上手な人が来るときに食事をつくろう、といったように。また、ヘルパーさんが来る時間に合わせて、掃除をしようか、料理をしようかなどと計画を立てて、行動することにもなります。
みなさんは、これまで出会ってきた人が、自分にとって良い人なのか、悪い人なのかによって、幸せだな〜とか、大変だな…と思ってきたと思います。それは「人生」という長い目で見た期間です。一方で、ヘルパー生活をしている人にとっては、「自分の家の中」「自分の私生活」でも、そういった変化が起こっています。
自分の生活スタイルを尊重してくださるヘルパーさんが多いほど、安心した生活を送ることができます。安定した生活ができていれば、いろいろなことに関心を持つ余裕ができ、社会で活動や仕事をしてストレスがあっても、乗り越えやすいでしょう。
一方で、何もかも監視されて、ヘルパーさんの理想の生活を強制されるような生活を送ることになれば、ストレスが溜まってしまいます。そして、介助を利用してきた人の中には、人間不信になって、さらに人との関係をつくることが難しい心理的状況になってしまう方もいます。
私も、自分の気持ちを整理したり、自分の幸せを考えたり、友人に相談したりしなければ、ヘルパーさんを上手に利用することはできなかったと思います。
今日は、私の経験で迷ってきた、けっこう考えたことを書いてみたいと思います。誰かのお役に立てられたら
ヘルパー生活で迷うこと Top10
Top10を決めるのって難しいですね。まずは、順位や数は考えずに、書いていこうと思います。みなさんも考えたことがあることや、ここに書かれていないことで経験したことなどありましたら、教えていただけると嬉しいです。
どんなことを考えたことがあるのか、どんなときに困ったかを考えてみました。
- ヘルパーさんに部屋で待機してもらう場所はどこか
- 家族や友人などと会うときのヘルパーさんは誰がいいか
- ヘルパーさんに希望の時間に来てもらえるか
- ヘルパーさんとテンションが合わないときにどうしたらいいか
- どこまで自分のプライバシーをさらけ出せるか
- ストレスMAX、一人でいたいという気持ちのとき
- とても良かったヘルパーさんが来なくなってしまったとき
- ヘルパーさんに自分の指示や説明がうまく伝わらなかったとき
- 仲良くできるヘルパーさんと、もっと仲良くなりたいとき
- どうしても合わないヘルパーさんがいるとき
- ヘルパー事業所との付き合い方に困ったとき
- いつもより体調が悪いとき
- ヘルパーさん以外の人との関わりをどう増やしたらいいか
- 外出のときの雰囲気がヘルパーさんによって変わってしまうとき
- 気持ちの依存がお互い、もしくは片方が強くなってしまったとき
まだまだあるかもしれませんが、次は、順位をつけてみようと思います。どれも悩んできたことなので、なかなか順位はつけられませんが、あえて、順位付けをしていくと、自分が大切にしていることが見えてくるかもしれませんね。
10位 ヘルパーさんの時間を希望するとき
今は、幸運にも、ヘルパーさんの時間についての希望は叶えていただいているので、10位にしていますが、かなり大切なことだと思い、ランキングに入れています。残念なことに、多くの事業所ではヘルパーさんが不足していて、希望の時間に派遣できないと答えることが現状です。そのため、北海道で暮らしていたときは、札幌市のパーソナルアシスタンス制度(PA制度)を使って、個人で契約する人を頑張って増やして生活していました。
障害がある人は、日常的に「予約」することがたくさんあります。ヘルパーの時間もその一つです。他には、病院の予約、リハビリの予約、福祉タクシーの予約など、事前に準備することが多いのです。病院の予約をしても、ヘルパーさんをその時間に派遣できないと言われたら、病院の時間を変えなくてはいけなくなるかもしれません。病院の予約の枠が空いていたらいいのですが、どちらも合わせられるかどうかはわからないし、さらに福祉タクシーの予約も!と言ったら、さらに難しい状況になってしまいます。
ヘルパーの時間は、行政から「月○時間」といったように、個別で決められます。私の場合は、約500時間ほどです。さらに時間が必要な場合は交渉を続けますが、認められるまではその時間数でやりくりしなくてはいけないのです。反対に、たくさん時間数があっても、希望の時間に入られるヘルパー事業所が足りなくて、時間数が使えずに余ってしまうこともあります。何とも、難しい状況ですね。
本当は、病院やリハビリなどの用事のほかに、遊びに行きたいとか、習い事したいとか、友人と会いたいとか、したいことはたくさんあります。トイレに行くのにヘルパーさんが必要な私にとっては、一生涯ヘルパーさんを利用するため、できないことが多いと、人生の過ごし方さえも変わってきてしまいます。
とても大事なことです。
9位 とても良かったヘルパーさんが来なくなったとき
新しいヘルパーさんが来たら、介助の仕方や生活スタイルをしっかり教えています。最初は研修期間といって、慣れたヘルパーさんと一緒について覚えてもらいます。その時点から、ヘルパーを利用する人は、そのヘルパーさんのことを信じて、自分の生活を見てもらい、頼んだことをスムーズにできることを願って、新しい関係性を作っていこうとします。なかなか骨の折れる大変なことですが、生きる上で必要なことだと割り切ってやっています。
信頼できるヘルパーさんに出会うと、初めの努力がとても報われた!良かった〜!と思います。とても良いヘルパーさんは、本人の生活スタイルを尊重して自然な流れでやってくださる方が多いです。私の経験上、ヘルパーさんとの関係が良くなっていくと、体を持ち上げてもらうときに安心して身を預けられるので、過度な緊張がなくなって、介助がしやすくなっていくと感じています。
しかし、いろいろな事情で、途中で仕事を辞める方がいます。学業や他の仕事が忙しくなったり、家庭の事情があったり、いろいろ。ときどき、利用者本人との関係は良くても、ヘルパー事業所の方針と合わないといって辞める方もいます。
そんなとき、「その人の人生だから仕方がない」と思っていても、とても残念だなと落ち込んでしまうのが正直なところ。せっかく、ここまで来たのに〜!と叫びたい。安心できる介助を受けられる日が、ぽっかりなくなってしまうと、生活の雰囲気も変わってしまうのです。
でも、これまで働いてくれたことに感謝して、いつかまたお会いできることを願うようにしています。そして、また新しいヘルパーさんを迎えて…その繰り返しです。
8位 気持ちの依存が強くなってしまうとき
人間関係の中の「依存」って、どこまでが「依存」なのか?とても難しい問題です。会う回数が多いと、お互いのことを知っていくし、話を聞いてもらったり、手を差し伸べてもらったりして、関係が深まっていくと思います。お互いがちょうどよい関係をつくっていければ良いのですが、依存が強くなりすぎて、片方が苦しくなってしまったときは、どうしようもなくなってしまいます。
ヘルパーさんを利用する人にとっては、とてもよく働いてくださったり、気持ちを汲み取ってくれたりするヘルパーさんに依存したくなります。私も、1ヶ月に30人以上のヘルパーさんがローテーションで来ていた頃は、ヘルパーさんにうまく指示が伝わらなかったり、性格が合わなかったりしたときに、よく聞いてくれるヘルパーさんにずっと愚痴を聞いてもらっていました。家庭や仕事の愚痴って、普通ならいろいろな人に聞いてもらって、ストレス発散していると思います。なぜなら、多くの人が共通して持っている愚痴だからです。しかし、ヘルパーさんについての愚痴は、いろいろな人に言えるわけではないので、特定の人に聞いてもらうことが多いです。私は、そういう相手がいたからこそ、20代の一人暮らしを乗り越えることができました。
ときどき、とても良くしてくださるヘルパーさんにものをいただいたり、仕事以外に助けてくださったりするときがあります。基本は、ヘルパー事業所のルールを守る必要がありますが、その人との関係でokなら、人生の出会いと考えると許せる範囲だと、個人的に思っています。しかし、利用者であっても、特定のヘルパーさんを(あの人は良くしてくれているのに、この人はしてくれないと)いじめたり、過度に頼みすぎたりしてはいけません。あくまでも、お互いのちょうど良い線引きが必要だと思います。
一方で、想像できないかもしれませんが、ヘルパーさんが利用者に依存してしまうこともあります。「弱い人の役に立つこと」で生き甲斐を感じることがあります。誰でも人の役に立つと嬉しかったり、生きていて良かったと思うのは自然なこと。しかし、それが行き過ぎてしまうと、必要としていないお世話をしようとしたり、「弱い相手」と思って「赤ちゃんのように下に見る」ことをしてしまったりすることがあります。
また、私は聞き役に回ることが多いせいか、ヘルパーさんが自身の話をたくさんすることがあります。その関係が続いてしまい、「話を聞いてくれる人」と思い込まれたり、過剰に好かれてしまうことがありました。これはヘルパーさんが悪いと言いたいのではなく、利用者自身も「今はそんなに話を聞けない」、「ヘルパーさん以上の関係は作りたくない。ヘルパーのままでいてほしい」などと伝えることができるようになると良かったなと思った出来事でした。
7位 ヘルパーさんとテンションが合わないとき
当たり前のことですが、私も、ヘルパーさんも、日によって気持ちの状態が違います。どちらか一方が明るすぎたり、暗すぎたりすることもあり得ます。もちろん、性格もまったく一緒の人はいません。
基本的に、トイレや着替え、家事などの必要な介助をしていただければokと思っている私です。ヘルパーさんはヘルパーさんで、自身の生活で引きずった感情などを持ち込まないように、割り切って仕事しようとしてくださると、私はとても助かります。もし、それが崩れてしまって、修正が効かなくなってしまったときは、関係が悪くなっていくばかり。私はそれを何度か経験しました。
社会生活では、学校や職場の人と性格が合わないとか、考え方が違うなとかがあったとしても、その時だけ会えばいいし、仲良くなってみようとトライしたりしてもいいし、選ぶことができます。「トライしてみたけれど、難しいな」と思っても、家に帰って気持ちをリフレッシュしたら回復します。
ヘルパー生活の場合は、「自分の家の中」で起こることなので、逃げ場がないのが、少し苦しいところです。料理をしているときに、会話の中で口論になったとしたら、料理の時間も、その後の食事の時間も、その嫌な気持ちを引きずることになります。口論にまでなることはほとんどありませんが、「鶏肉を煮た後の、煮汁を捨ててください。」と頼んだときに、「なんで?」とヘルパーさんが気分を損ねたり、何でこんな面倒なことをしないといけないのか?という態度を取られたりしたことはあります。人それぞれ、信じてやってきた家事の仕方があるので、そこの違いに戸惑いやイラだちを持ってしまうことがあるのだと思います。
ほかには、私は美術館に行くのが好きなのですが、一緒に行くヘルパーさんが美術に関心がない態度を取ると、私のテンションは少し下がってしまいます。関心はなくていいのですが、つまらなそうにするとか、見ているのを邪魔してくるといったことをされると、その時間は楽しくなくなってしまいます。それなら、「どこかで待っていてください。」と頼みます。
ヘルパーさんを利用することで、料理をする、食べる、外出するといった「行為」ができるようになったことは、すばらしいことです。でも、日常生活のいろいろなことって、一緒にいる人と過ごす時間や雰囲気によって、良い時間を過ごせる時もあれば、こんなことしなければ良かったと後悔することもあるので、大変なときもあります…。
何も「私を楽しませてほしい」と頼んでいるわけではなく、日常生活の営みを自然にしていきたいだけなので、そういった「気になるほどのテンションのズレ」が起きたときに、どうしたらいいのだろうか?と考えるのです。
この考えや悩みは、常にヘルパーさんが必要な人が直面することだと思います。毎日や、24時間のヘルパー生活ではなく、週に何回かや何時間であれば、ヘルパーさんの性格も楽しんで、「この時間は明るくいこう!」と有意義な時間として考えやすいでしょう。
人と人との関係ですから、お互いに刺激になる時間を過ごすこともいいでしょう。基本はヘルパーさんが黒子になって一緒にいてほしいなど、どういう過ごし方をしたいのか、お互いに話せる関係がベストなのだと思います。
6位 どうしても合わないヘルパーさんがいるとき
人間ですから、相性の合わない人は世の中にたくさんいます。
ヘルパーさんとの関係も、その世の中の一つ。
相性が合わない人とは、仕事や学校であれば、深くつきあわないようにしたり、たとえ関わらなくてはいけないときも「建前」で接したりします。そんなことを、ヘルパーさんにもしたらどう?と思う人もいるかもしれませんが、自宅に入ってもらって、プライベートなところも見せることになるため、「どうしても相性が合わない人」がヘルパーさんとして来ることに耐えられません。
一番難しいことは、自分と相性が100%合うということは、ほとんどありえないということです。そもそも、自分と相性が合う人って誰なんだ?という話にもなります。そこはお互いに少しずつ関係をつくって解決していける場合があります。
しかし、それでも「頭の中で引っかかって、流すことができないこと」っていうことが出て来る場合があります。その時点で、「どうしても相性が合わない」と思ってもいいのだと思います。これは、本当に個人的な経験ですが、「どうしても合わないヘルパーさん」といても、、、良いことがないどころか、他のヘルパーさんとの関係をつくるときにもストレスがおさまらずに、別れなくていいヘルパーさんとも関係が悪くなることがあります。だから、そこはキッパリ「合わないヘルパーさんを断る勇気」も必要だと思います。
注意したいのは、そのヘルパーさん個人が悪いのではなく、たまたまその利用者と合わなかったというだけです。もちろん、人のものを勝手に見たり、盗んだり、悪口を平気で言ったりするなどのマナー違反はダメです。マナー違反以外は、「お互いの相性が合わなかった」だけなのだと思います。
5位 ヘルパーさんに自分の指示や説明がうまく伝わらなかったとき
「車いすに座ったあとは、後ろからお腹周りで手を組んで、上に持ち上げるようにお尻を奥に座らせてください。足は中央に向かって合わせて、整えてください。」など、詳しく伝えるようにしています。でも、、、こういう説明する技術をつけるまでに、かなりの年数が必要でした。もうこれは、「技術」と言っていいほど、ここまでできるようになったことを自慢したいくらいです。
当たり前のことですが、お互いの努力なしに、より良い介助をすることは難しいです。介助をされる側も、説明や希望をわかるように伝えること、ヘルパーさんと息を合わせることが大切ですし、介助をする側は「利用者が伝えようとしていることを理解して、動ける」ように、「こういうことですか?」と確認しながら、介助の方法を覚えることが必要です。
どちらか一方が、わからないのにわかったと言ったり、良くないのに良いと言ったら、それ以上、理解し合うことはできません。そのときは、たいてい、言葉とは裏腹に、態度が良くなかったり、苦しそうな表情をしていることが多いです。
私も、よくやってしまうのが、指示が伝えられないことにイラ立って、「いや、もう良いです、これで。」と言ってしまうことです。本人として、涙が出るほど、疲れてしまっているから言ってしまうのですが、言われたヘルパーさんはけっこう傷つきます。
ヘルパーさんにもイライラされたことがあります。生理中でナプキンをパンツにつけたあと、パンツをあげたら、ナプキンの端が折れて気持ち悪いと感じることがあります。それを伝えると、「ちゃんと、貼りましたけど。」「折れてないです。」と、きちんと確認しないで、決めてしまう態度を取る人がいました。何年か経って、「当時は、ヘルパーの仕事に自信がなくてイライラしてしまった」と言っていました。表の言葉だけではわからないことがたくさんあることを学びました。
介助の指示といっても、お互いの気持ちの状況や、聞く余裕があるのかなど、いろいろなことが関係しています。だから、介助の指示が伝わらないからといって、その理由は、利用者がわかりやすく伝えられないからとか、ヘルパーの技術がないからとかではないのです。
だから、たとえ、介助のことでつまずいても、自分も、相手も責めたりせずに、いったん深呼吸して、ゆっくりと伝え合うことが必要だなと思いました。
4位 いつもより体調が悪いとき
体調が悪いと、本当に辛い。声が出ない、指示が出せない、、、、こんなに辛いことはありません。いつもより体調が悪いときは、指示がなくても、臨機応変に動けるヘルパーさんが必要です。
そのときのために、体調が悪くなる前に、指示がなくてもヘルパーさんが動けるように、伝えておいたほうがいいでしょう。例えば、体調が悪いときにつくってほしい料理とか、薬が置いてある場所だとか、ベッドに寝かせるときのリラックスできる姿勢などです。指示は、声が出せないときは「うん」「いや」だけにするとか、合図の方法も打ち合わせしておくといいと思います。
ここで難しいのは、自分の専用のヘルパーさんではないという問題。多くの人は、事業所からヘルパーさんを派遣しているため、特定の人を指名することが難しいです。その場合は、事業所さんでうまく対応していただけるか相談しましょう。すぐに対応できなくても、その話をきちんと聞いてくれる事業所は、とても良い事業所だと思います。
元気なことが多い私は、この準備をサボってしまいます。。。
3位 ヘルパーさん以外の人との関わりを増やしたいとき
3位からは、順位をつけることが難しいほど、どれも大切なことです。今は、コロナ禍ということもあって、あまり外出できないので、ヘルパーさん以外の人との関わりを持つことが、そもそも難しくなっています。そのため、1位、2位ではなく、3位にしました。
世の中全体を見ると、「人と会うのは、学校や職場だけだし、外出も、学校と自宅の往復だけ、職場と自宅の往復だけだよ…。」という方も多いのではと思います。中には、それだけで十分だと思っている人もいたり。
私は、20代の頃は、外での人間関係をたくさんつくろうと活動をしていましたが、今は特手の人だけで十分と思っています。もう歳でしょうか(笑)。年齢を重ねて落ち着いたということも影響していますが、もう一つは、自宅でヘルパーさんと関わりながら、外でも人間関係をつくっていくことが疲れてしまったということも関係しています。
学校や職場などで人と関わることは、自分の成長にとって欠かせないことです。自宅の外でたくさんのことを学んできましたし、これからも人脈は欠かせません。恋愛もたくさんしたら、楽しいことも切ないことも経験できます。
そのような社会生活から帰ってきて、自宅に戻ったとき、ヘルパー生活をしている人は、さらに他人と関係をつくっていかなければなりません。たとえ、関係が良くても、楽しくおしゃべりできても、一人でぼーっとしたり、スイッチをオフにすることがなかなかできないです。本当に誰もいない空間だからこそできることですね。
そのスイッチをオフにする(=素の自分でいる)場所があることで、ヘルパーさん以外の人と関わるための気持ちの余裕ができ、友人や恋人、仕事の仲間と良い関係を築きやすくなるでしょう。私は、ヘルパーさんとのお付き合いでヘトヘトになっていたときは、まったく外に出ず、誰とも連絡を取らないようにしていました。本当に疲れていると、時間が少しでもあれば、一人でぼーっとしたり、リラックスしたりしていました。
しかし、そればかり続けていると、とても寂しい気持ちになっていきます。
もしかしたら、自分のできることで、誰かの役に立ったり、それが仕事になって、お金を稼ぐこともできるかもしれないのに、もったいないです。
このテーマは、人生において、とても大切なことです。
2位 自分のプライバシーを守ろうとしたとき
ヘルパー生活を送る上で、あることを覚悟しなくてはいけません。それは、「自分のプライバシーを他人にさらけ出すこと」です。少し強気で言ってしまいましたが、「ある程度はさらけ出す」ことをしないと、生活ができないのです。
日常的に介助が必要な人ほど、いろいろなことをヘルパーさんに知られることになります。例えば、服の趣味、下着、使っているシャンプーや石けん、食事の内容や量、部屋が整理整頓されているかいないか、見ているテレビ、その他のものの場所など。また、電話の内容、遊ぶ友人のこと、好きな人のこと、読んでいる本の題名、好きなアーティストなどのいろいろな情報です。
もし、知られたくないことがあったとき、自分のプライバシーを守ろうとしますね。どうやって守りますか。ヘルパーさんではなく、友人や恋人に協力してもらうのもありですね。そこに、第3位に書いた「ヘルパー以外の人との関係」の必要性を感じます。一番は、性欲を満たすアダルトグッズの場所は、理解のある人にしか教えられません。
はっきりいうと、「人のものを勝手に見る、使う」ヘルパーさんは信用できないことが多いです。たとえ、利用者がおおらかな人であっても、その人の家にあるものはすべて、その人のもの。
ある程度はおおらかな気持ちで、ヘルパーさんを迎えないと、「あんなことするんじゃないか」と、いつも人を疑ってしまうことになります。
「それくらい、良いじゃん?」って思うことであっても、むしろ、「それくらいのことをやってしまうなら、もっと大切なプライバシーのことは出せない」と思ってしまいます。
大げさな例ですが、初めて来たヘルパーさんが、私の机の上にある資料などを、わざわざ上からじろっと見てきたときは、さすがに「この人は信用できない」と思いました。観察や監視をされている目をしているヘルパーさんには要注意です。
もっと、心を広くしないといけないのではないか…そう思ったことも何度もあります。心が広くない私が悪いのではないかって。
いや、もっと、自分のことや身の回りのことは大切にしても良いと思います。
自分のことは、自分で守るしかないのですから。
1位 ストレスMAX、一人でいたいという気持ちのとき
やっと1位にたどり着きました!!!!
ヘルパー生活で悩むこと第1位は、「一人でいたいとき」です。特定のヘルパーさんが悪いとかではないのですが、誰とも会いたくないときってありませんか。私は、たくさんあります(笑)
私は、少しの間だけ一人でいることができるので、その貴重な時間に、ぼーっとしたり、逆に何かに集中してやったりします。読書とか、友人とオンラインで話したりとか。しかし、意識して一人の時間を使わないといけないので、疲れることもあります…。(今がチャンスだ!と意気込んでいる時点で、大変ですね。子育てに忙しい親みたいです。)
24時間、ヘルパーさんが必要な人はどうされているのでしょうか。どなたかに聞いてみたいです。
究極、寝ているときが「一人のとき」だと思うことがあります。目を閉じたら、もう自分だけの世界に入ることができます。
「自分だけの世界」
これは、人生で一番大切な空間であり、時間だと思っています。哲学的になってしまいますが、これがないと、自分と他者の違いや境目がわからなくなってしまう感覚です。
自分のことや、人との関わり方、生き方を振り返ることができるのは、一人の時間が一番だと思っています。
人生の中で、人に揉(も)まれる時間が多いかもしれない。
だからこそ、自分はどうしたら良いのか?立ち止まって考える、「人に揉まれない時間」が必要なのだと思います。
まとめ
さて、いかがでしたか。
今までのブログの中で、一番の超大作になりました。文章が長すぎますので、必要なところだけでも読んでいただけると嬉しいです。
文章が雑多なので、少しずつ直すことがあると思います。内容は変わりませんが、また読んでいただいたときに、読みやすくなっているかもしれません。
人生は一度しかありませんので、たとえ、介助が必要であっても、自分らしい生活をしたいのは当たり前のことです。
いろいろなヘルパーさんと出会って、ほとんどの方は良い方ばかりでした。たとえ、良いお別れの仕方をしていなかったとしても、その時間はかけがえのない時間でした。
ヘルパーさんを利用して生活する人は、良い人になりすぎず、「このヘルパーさんの『行い』は信用できない」という感覚は大事にしたほうがいいと思います。悩んでしまうのは、どう伝えたらいいのか、このモヤモヤをどう整理したらいいのかがわからないからです。
いつもぶち当たる悩みは、永遠のテーマだと思うので、ゆっくり考えていきたいと思っています。

ありがとうございました。