新型コロナウィルスの緊急事態宣言が解除されて、真っ先にやりたいのは、美味しいものを食べに行くことである。みんなで集って食べに行くのも楽しいが、美味しいものと会話をしながら食べられるのは、おひとりさまの醍醐味である。
私は「孤独のグルメ」が大好きだ。
「胃袋が食い物を求めている!」というベクトルを持つ商社マン、井之頭五郎。商談が終わったら、空腹の男に変わる。
胃袋に突き動かされるままに、美味しいものがある店を探し歩き、店構えや雰囲気などを嗅ぎ分けて、いつもの勘で店に入る。この直感で動く感じがたまらない。たまに、店の中が混んでいて入れない時がある。そのあとは、必ず良いお店を見つけて裏切られることはない。
私がこのドラマで好きなポイントは、井の頭五郎さんはメニュー選びに迷うが、その迷い方と決め方である。
迷うときは、一度これが食べたいと思ったものが、前の食事の内容と重なったり、2つ以上のメニューのどちらにするか迷ったり、名前を見てもイメージできないものに一生懸命イメージをふくらませようとしたりする。そこからが、井之頭五郎さんの食事の流れだと思うくらいだ。その時点でよだれが出てくる。
決めるときは、あれだけ迷って直感で決めたり、他のお客さんの注文したメニューに気持ちをそそられたり、食べたことのないメニューに容赦なく挑戦したりと、お茶目さと大胆さが織り混ざっている。
あとは、食べならがの描写や食いっぷりは、ご存知の通り、食欲をそそる。しまいに同じメニューをまた頼んだりする。
言葉にできないほど美味しいものと出会い、ゆっくり食べ物と会話をする井之頭五郎さん。
見る方の私たちも、止まらない。