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はじめただけで勝ち〜すぐやる魔法の言葉

外出をしないようにしてから、きっと2ヶ月くらいは経っている。その間は、病院とスーパーとハローワークなどへの外出のみだ。私は、外に出るのが好きだったため、昨年からの雪が多い時期と、いつまにかコロナのことで外出規制となってしまった時期が続いてしまい、気持ちが腐ってしまい、セミの脱け殻になってしまうのではないかと思っていた。

その予想とは裏腹に、2ヶ月前には、ある勉強をはじめ、eラーニング(インターネットで行う授業)を受けていた。それは、日本語教師養成講座(文化庁に認可された420時間の単位を取り、日本語教師になる講座)である。だいぶ前から、その講座があることを教えてもらっていたのだが、仕事をしていたときは考える余裕がなかった。その後、何ヶ月か経ち、他の友人から教えてもらったときに、「あ、今かもしれない」とすぐに受講することに決めたのだ。

はじめてみると、とにかく面白すぎて、勉強への意欲が止まらない。社会人になったら勉強が楽しくなると聞くが、「自分からやりたい」「やったらいいかも」と強い意志はもちろん、直感で決めたことは、ほとんど外れないと思う。

もちろん、勉強しただけでは、ずっとお金を得ることはできないので、仕事に結びつけなくてはならない。もちろん、私には、一生分生きていけるだけの貯金があるわけではないので、早く仕事に就きたいという焦りはある。

でも、焦って仕事をがむしゃらに見つけたところで、また体に無理をかけたり、変な会社に出くわしたりすることもある。ただでさえ、私は、人と同じような仕事の内容に就いても、物理的に自分で動くことができないので、効率性や瞬発力にはかけてしまう。ならば、やっぱり、自分のできる力を発揮できることで、一人ひとりの生活の助けになったり、人とコミュニケーションを取る楽しさを考えたりできる人になるのだ。

いざ、日本語教師の勉強を進めていくと、日本語を習いたい外国人が多くいて、いろいろな背景を持つ人々がいることを知った。日本語を公用語(その国の公に使う言語)としているのは日本だけなのに、日本語を学びたい・学ぶ必要がある人が400万人以上(海外では365万人、日本では30万人以上)いる。日本の文化に触れたい人から、生活に必要な人、留学や仕事で必要な人まで多種多様だ。

つい最近まで、日本語の音声や表記について学び、外国人にどのように教えていけばいいのかを考えるための知識を得た。ふだんから自然に話している日本語を音声として学ぶと、英語の発音を練習するのとまったく変わらないか、文字の種類が多いという意味では、かなり難しいレベルだと知った。英語の方が明らかに覚える文字数は少ないのに、「英語ができない」と事あるごとに言ってしまう日本人が多いのか、疑問に思った。音を小さく分解してみると、英語と同じような音を出しているのに…。

研究者の中でも、世界中のすべての音の要素が、まだ明らかになっていないほど、奥が深いものだ。日本語の音素(音を小さく分けたもの)や口や舌の使い方をノートに書き、それを訪問リハビリの先生に見せたら、「Michikoさん、ST(言語聴覚士)になれますよ」と言われた。医療や障害のある子どもや大人への支援にもつながる知識であることがわかると、なおさらテンションが上がった。

さらに、日本語の指導を必要としている児童生徒の中に、特別支援学級や特別支援学校に通う子どももいる。スクーリングで30年も日本語教師をやっている先生から「障害のある子どもも増えてきているから、今後の働き先にもそういう選択肢がある」ということを聞いた。日本語教師の教育の対象は、日本語を母国語としない人であり、そこには外国人の他に、日本国籍を持っているが長く海外で暮らしてきた人や、日本語を主言語としない両親・家族に育てられている人がいる。学校では、日本語での教科の勉強に困っている児童生徒に対する支援が求められており、日本で仕事をしている外国籍の人が増えている以上は、まだまだニーズがありそうだ。

日本語教師養成講座の勉強で、たくさんノートとペンを使った。私にとって使いやすいボールペンは無印の「さらさら描けるボールペン」だ。しかも、今は売っていない旧式のもの(笑)。リフィルをわざわざ取り寄せてまで愛用している。

科目によって、最も効率よく、しかも覚えられるノートづくりの仕方が違うから、いつも試行錯誤だ。iPadのノートアプリも活用しながら、自分の体に負担のない方法を探しているところだ。

インターネットでの自己学習は、自分で時間をつくっていかないといけないため、少し難しい。パソコンで講義の動画を見ているので、少し飽きてしまうとすぐにYoutubeを見ようとしてしまう。そうこうしているうちに、あっという間にお腹が空いてご飯を用意する時間になる。さらに、あっという間に夕方になる。

私のヘルパーをしている人も、通信教育で学んでいる人がいる。その方は「家出だとなかなか始められない」と嘆いていた。私は、「はじめただけで、その日は勝ちだ」と思えばいいと答えてみた。私のゴールはかなり小さくて、「パソコンでeラーニングを開いたら、今日の私はえらい」と高評価を自分にあげる。私は、「一度始めたら、止まらない性格であることを知っている」から、なおさらだ。自分の性格を知っておくことは、とても大切なことだ。西野カナの「トリセツ」のように、こういう自分だからよろしくね、と自分に伝えてみよう。

はじめてみても、気乗りしなかったら、きっと今はそれをやるタイミングではないのだ。

息抜きに、ずっと冷蔵庫に余っていた大根で煮物を、オートミールを使ったお団子入りミートソースパスタをつくった。オートミールの調理は、最近はじめたばかりである。すでに2、3種類のオートミールレシピを試している。

やっぱり、はじめてみると、意外にもハマったり、進んだりする。

いつも何をはじめようかとワクワクする。

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