新聞を読んでいると、2019年12月にフィンランドの首相に就任したサンナ・マリンさんの話が目に止まった。閣僚は19人中12人が女性で、平均年齢も47歳という。フィンランドでは、性別や年齢よりも、スキルや才能が重視されるため、女性進出は珍しいことではないらしい。インターネットでは、日本との比較を書いている記事が多かった。

何より心を動かされたことは、マリンさんは34歳であることだ。私と全くの同年代で、しかも女性。彼女は10歳くらいから政治の活動に参加していたようで、首相になることも必然的な流れだったのかもしれない、と勝手に想像する。しかし、いくら必然的であったとしても、応援する人たちがいて、それに応えていくことのできる度量がないと、首相にはなれないと思う。私の内側がなんだかうずうずした。
あるニュース記事では、「週休3日労働制や、1日6時間労働制」を検討していると言っているものもあれば、後日の記事では、それは検討していないと書いているものもある。その事実はわからないが、首相が「人々はもっと家族や愛する人、趣味などに時間を費やすべきだ」と述べたという。彼女の写真を見ると、その考え方は持っている方なんだろうなと思った。
私が見ていた新聞は、北海道新聞(2020年1月16日)で精神科医の香山リカさんのコラムである。それには、自身も10年以上前にフィンランドに行った時から、仕事よりも家族に費やす時間を優先している国だと感じていたことが書かれていた。男性がパパとして保育園に子どもを迎えに行くために、会議中であっても途中で抜けられるのは自然なことらしい。
香山リカさんのコラムで面白かったのは、「あなたの優先順位を考えてみよう」という内容である。彼女の文章をお借りすると、「日本は1位に仕事、2位に貯金、3位に家族、4位にカラダの健康」なのではないか。一方で、「北欧は1位に家族、2位にボランティア、3位に健康、4位に会社での仕事」だと彼女が仮定し、どのようにチェンジしていきたいのかを問いかけていた。

私は、「社会で求められている生活の優先順位」と「私が求めている生活の優先順位」を考えるとおもしろそうだと思った。
もっといろいろな項目を入れようと思ったら、優先順位は人それぞれ全く違うかもしれない。「恋愛」「運動」「一人の仕事」「人脈」とか。
そして、ますます、社会が求めている優先順位との間に違いが出てくるだろうと思う。その違いはなぜ生まれているのか?を考えてみると、社会で足りないものが見えてきたり、選挙で政治家を選ぶときの判断材料になったりするかもしれない。
みなさんの優先順位はなんですか?
この話題だけで、食事やお酒が進みそうだ。