ちょうど2年前の今、私はアメリカへ旅立った。Google Photoのアプリが思い出の写真として知らせてくれたのをきっかけに、カレンダーを改めてみると、2年前の4月14日からアメリカの1ヶ月半の滞在が始まった。

社会福祉法人清水基金の助成金を得て、社会福祉士として相談員の仕事をアメリカで学ぶことができた。最初の10日間、アメリカのイリノイ州シカゴで、貴法人のOBである八巻先生のプログラムのもと、アメリカの福祉の現場を学んだ。その後の1ヶ月ほど、カリフォルニア州サンフランシスコ、バークレー、サクラメントなどで、障害者がサービスを受けるための相談を行う専門の機関などで、「本人中心支援」について学びに行った。

その「本人中心支援」が、私がアメリカで学ぼうと思った大きなテーマである。「本人中心支援」とは、簡単に言うと、「本人抜きに、家族や専門家が、本人へのサービスを決めるのではなく、同年齢の健常者と同じ経験や権利を守らなければならない」という考え方である。
買い物にも、遊びにも、何か趣味のことを習いに行くことも、仕事も、生活のあらゆることも、乗り物に乗って出かけることも、お金を自分で使えることも、周りが決めてしまうのではなく、本人が住んでいる場所で、他の人と同じように、いろいろな場所、サービス、人と関わることができることを保障するのだ。
福祉サービス(本当は福祉だけではない)をコーディネートするコーディネーターは、どのようなことに注意しながら、どのような考えで行なっているのかを聞きにいったのである。

アメリカでの生活や、移動のときの交通機関などが、何もかも新鮮だった。本当はもっともっと発信していきたかったのだが、たくさんの思い出がありすぎて、整理できないまま2年の月日が経った。

今は、新型コロナウィルスの影響で、飛行機でアメリカに行くこともできなくなっている。行けるうちに行くことができて良かったと思っている。ただ、アメリカでお世話になった人が元気でいるのかだけが心配。
私は、2年前のこの時期に旅立ったことをきっかけに、今からアメリカで経験したことを書いていこうと思う。
いつかまた、アメリカやその他の国にも行ける日を願って。