先日、うつらうつらとしながら、ラジオ深夜便を聞いていたら、舞台俳優の加藤健一さんがゲストに出ていました。
「自分の中では、過去や未来は『時間の流れの横軸』ではなく、
『いつでも自分にいる縦軸』だと思っています。
だから、後ろをふりかえることはない。
歳をとったという感覚がないんですよ。
親はもういないですが、子ども心が芽生えてたまに寂しくなったり、
若いころのようにお酒に酔いつぶれたいと思ったり、
過去の自分はいつでも自分の中にいるので、
その時々で、引っ張り出して楽しむ感じです。」
という話が印象的でした。(私の記憶ですが!)
加藤健一さんに、ラジオパーソナリティの迎康子さんが「70歳を迎えられていかがですか?」といった話題をふったときの開口一番の言葉でした。私は、舞台俳優をしながら、いろいろな自分や他人像を表現し、体感して学んできたからこそ出てくる、深みのある言葉に感動したのでした。
私は、これまで、自分のことを受け入れられなくなったり、自分のことがわからなくなったりしたい経験があります。自分の「こんな自分は嫌だな」という醜い部分を否定するために、過去の自分をなかったことにした方が楽な場合がありました。ただ、過去の自分と今の自分は、まぎれもなくつながっていて、それを無理やり切ってしまうと、これからの未来を歩む自信がなくなってしまう気がします。
むしろ、醜い部分もある自分を知っていた方が、その自分への対応方法を考えることができたり、他人のことも理解しやすくなったりすると思いました。過去のいろいろな自分を認めたり、「そこはダメかもよ」と怒ったりしながら、それらを分析する「今の自分」ごと楽しめるようになったらいいなと思いました。
人生を楽に考える方法を、先輩から学んだのでした。
