生きる

自分と同じように考えている人がいる

しばらくぶりです。みなさん、お元気でしたか。
もうかなりの真夏です。38度近くまで上がったときには、電気代は何も考えないことにして、エアコンをガンガンつけようと思い始めました。ヘルパーさんがいる時間が長ければ長いほど、ヘルパーさんが普段いるところも涼しくする必要があるので、2人住んでいるのと同じくらい電気代がかかってしまいます。もちろん、必要なことだとはわかっているのですが(自分が生きる上で必要な経費!)、その分、お金が必要ですよね。なので、少しでも自分が好きなものにも使えるくらいのお金が残るように、講演活動やオンラインの仕事などをできる範囲でやっているところです。

障害者だからこそ感じる悩みや、ヘルパーを使っているときに考えることなど、いろいろとありますね。でも、ヘルパーさんは良い方たちばかりですが、そのような悩みはなかなか言えないのが正直なところです。「ヘルパーさんに対して」というよりは、「障害者・ヘルパーユーザーじゃない人に対して」と言った方がいいかもしれません。

「自分とは違う境遇にいる人」に共感することって、簡単なことではありません。たとえば、私は一般の事務の仕事をしていたとき、その会社の人に「ヘルパー生活で大変なこと」を話すことはほとんどありませんでした。たとえ、前の晩に、新しいヘルパーさんの研修で疲れていたり、ヘルパーさんの機嫌が悪かったせいで気を遣いすぎで疲れていたりしていても、私の仕事に支障が出たとしても、それは言い訳にはできないのです。本当は、同じような境遇の人がいたり、会社にいろいろな境遇の方がいれば、少しだけ「実は、昨日、…」と愚痴をこぼすことができるのに…とずっと思っていました。

これまで、学校でも職場でも、先生や上司のちょっとした悪口を言って笑い合っているところに遭遇したことがあります。それはごく日常の風景だと思います。でも、私が同じように言ってしまうと、「普通に勉強(仕事)できるだけでもありがたいじゃない?」とか、「もっと大変な人がいるよ」とか、「ヘルパーさんが来てくれるだけでもありがたいよね?」とか言われてしまうのです。ちょっとの愚痴さえも、話す場所を慎重に考えなければなりません。だから、けっこう寂しかったですし、孤独でした。そういった「聞いてくれない雰囲気」は、福祉の現場でも多いから困ったものでした。どうしても、福祉では、「利用者を正しい方向へ導こう」と支援をしようとする人が多いと思います。支援者自身の人生に注目すると、割り切れないことや、他人に見せられないことなどいっぱいあるはずなので、そういう意味で「同じ人間」として関わってほしいなと思います。

そうそう、だから「自分と同じように考えている人がいる」ということを少しでも確かめ合える場がなかったんですね。だからこそ、こうして私の体験や思うことを書いておくことで、少しでも誰かの役に立てられたらと思っています。

私はこの前、アメリカ人の友人に助けられました。その友人との会話で、「ヘルパーさんとずっといると息が詰まるし、自分を見失いそうになる」と愚痴をこぼしました。すると、その友人は、ヘルパーの仕事をやっているのですが、「僕のクライアントも同じことを思っています。ヘルパーさんはいい人たちなのに、とても辛いときがありますと言っていました。」と共感してくれました。「いい人たちなのに」と言ってくれたことが嬉しくて、やっぱり彼が私の友人で良かったと思いました。

「いい人たちなのに」と周りの人の存在を認め、「でも、私は、自分を見失わないようにすることが難しい」という自分の悩みも認めることが大事だと思います。ヘルパーさんには感謝していないわけじゃないということが、友人に伝わったのです。

「障害者の悩みは障害者じゃないとわからない」というのは違います。
彼のように「自分のクラアントも同じようなことを言っていました。」と、自分の知り合いが話していたことを思い出してくれることで、「わかってくれているんだ」と思えるのです。自分自身の体験じゃなくても、共感できるんだなと感じました。

 

 

 

夏といえばスイカ。兵庫県南あわじ市のスイカです。
とっても甘かったです。

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