手に取った瞬間、なんて手にしっくり収まる本なんだ!と心が踊った。大きさも手触りも、ちょうど良かった。読み始めると、私が関西に移住するのを考えていた時のことを思い出す。これも私にとっては生活改善運動だったのかもしれない。
自分が本当にしたいと思える生活のことを考えた。頭痛のない生活、山、自然な食べ物、料理。今の生活も好き。図書館が近くにあって本が借りれる、日本語ボランティアをする。無理なく続いている筋トレ。もっと、季節の食べ物とか堆肥とかもっと目を向けたい。
筆者のエピソードの中で、前に付き合っていた彼氏に「味覚がおかしい。」言われて、自分のおいしいという感覚が信じられなくなったと言うエピソードを読んで、自分のこれまでの経験を思い出した。自分の人生ではなく他人の人生に合わせて生きていくと、自分の感覚が分からなくなってしまうということ。私も、周りの支援者にいろいろなことを言われて、周りの目を気にしていたとき、自分の感覚が全くわからなっていたなぁ。そこからどうやって潜(くぐ)り抜けてきたんだろう。
一つひとつ、原点に帰っていったような気がする。コロナ禍時代、お野菜は畑で採れたものをいただいたし、麹で塩麹を作ったし、Facebookをやめたし、自分の気持ちを日々書いたりしていた。筆者は、自分のオリジナルの本棚を作ったり、お皿を作ったり、料理をしたりしながら、生活改善をしたという。その一つひとつの行為は、「私の生活をないがしろにしてはならない」という意地であり、社会への運動だったようだ。
日々、何かに立ち向かっている人や、生活を変えたい人に読んで欲しい一冊だ。