
とうとう北海道にも真冬がきた。今年は雪がかなり少なく、先月までは道路も見えていたのに、今は、雪で埋めつくされている。道外の人から「車いすで雪道をどうやっていくの?」とよく聞かれる。この写真のように、道にモコモコ降った雪を、除雪車が固めてくれたら、思ったより車いすでの走行ができるようになる。もちろん、雪の段差がいくつもあったり、変なかたちに踏み固まられていたりしたら、車いすはなかなか進みづらい。行く先の前方をよくチェックしながら、平らな道を選んで進んでいく。
少し前の話かもしれないが、スウェーデンでは、車いすやリアカーを引いた障がい者やおじいちゃん、おばあちゃんも、真冬であっても毎日のように散歩に出かけるという。田舎の方は特にマイナス気温で寒いので、上半身・下半身とものスキーウェアのようなものを着て、気軽に外に出るそうだ。すべて介助が必要な障がい者も、ヘルパーさんとともの時間をかけてウェアに着替えて行く。日本なら、そういった面倒なことはヘルパーさんもしたがらなかったり、障がい者側も遠慮や面倒くささであきらめたりするイメージしかない。スウェーデンでは、ヘルパーさんのサービス時間もゆったり保障されているせいか、お互いに穏やかでいられるのかもしれない。
しかも、スウェーデンの多くの自宅は、すべての部屋が同じ暖かさに保たれていて、食事やお茶を楽しみながら、ゆったりくつろいでいるそうだ。暖房に使う電気は、地域供給暖房システムによる特別な仕組みで使えるようだ。
一方で、私の自宅は暖かいほうではあるが、どうしても、玄関やトイレなどは寒い。20年以上前は、おばあちゃんの自宅で寝ていたとき、布団に入らないと寒くて死んでしまいそうだった。吐く息が白くなるくらいの寒さだった。
北海道で、以前に急に雪がドカドカ降って、行政による除雪が追いつかないときもあった。夜中いっぱい雪が降り続けたあとの次の朝は、人が歩けないほど道がなくなっていることもある。そんな状態では、車いすなんて、ぜったいに無理だ。しかし、除雪を夜中にしてくれているおかげで、通学や通勤をする人々の歩く道ができている。スウェーデンでも除雪が行き届いていることで、どんな人でも歩きやすい道ができ、毎日の散歩を楽にしてくれているのだろう。
「真冬でも毎日のように気軽に散歩できるまちづくり、それが北海道」というスローガンを抱えて、整備を進めていくことができたら、なんて天国なんだ。
今の北海道の雪は、とてもキレイである。
本当にオススメポイントである。