沼にハマって動けなくなることがあった。一度ハマって、焦ったり、むりやり逃げようとすると、どんどん沼にハマっていく。そんな経験はないだろうか。そんなことになってしまったら、ジタバタ動くよりは、じっと我慢して、「お〜い!助けてよ〜!」と、できるだけ複数人呼んで、助けてもらったほうがいい。
仕事で頑張っているのに空回りしてしまったり、試験に合格するために必死になって勉強しているけど自信がなくなってしまったり、人間関係がうまくいかなくなったりする。そんなとき、沼にハマっているのは、頭の中の私であって、ジタバタしているのは、心の中で「どうしよう、どうしよう」と、どんどんネガティブになっている状態だ。体が不自由な私は、どうしても頭の中が先に動いてしまって、あらぬ方向まで考え込んでしまう。頭の中だけで想像すると止まらなくなってしまう。だから、本当は体を動かして、実際にやってみて、「あ〜だめだった。次は違う方法にしよう」とすぐに切り替えたいのだ。
頭の中でジタバタしても誰にもわからないままだ。一方で、実際に何かをやってみるときは、たいてい誰かの目に止まる。一人のときでなければ、誰かが見ているから「どうしたの?」とか「なんか変じゃない?」とか気づいてくれる。
では、体を自分で動かすことが難しい人はどうしたらいいのだろうか。きっと、頭の中のことを言葉にすることで、誰かが何かを言ってくれたり、一緒に考えてくれたりするだろう。もしかしたら、ケンカもするかもしれないし、いい結果にならないかもしれない。
私は、自分の日常をサポートしてくれているヘルパーさんにハッキリ思っていることを言ったら、離れていってしまったことがあった。そのときは、「沼にハマった」と思っていた。でも、その前に考え込んでいた期間もあったから、言わないときのほうが「沼にハマっていた」。私が言い出さなければ、相手もハッキリと言えなかったからだ。一方で、ハッキリ言ったことで、今でも仲が続いている人もいる。そして、一番最悪なのは、「言わないで終わる」ことだった。これはどうしようもできないけれど、その頃の私が精一杯できることは「言わない」ことだったのだから、仕方がないと思っている。
沼にハマったとき、「お〜い!」と声をかけられるユーモアと冷静さ、そして「これはどうしようもないから、ちょっと手を引っ張って」とあきらめの気持ちが必要なのかもしれない。そっか、そっか、あきらめるか。ジタバタする前に、そんな切り替えができたらいいなと思った。
