自費出版『ウンチを出して「車いす」を脱ぐ』を出してから、
お手紙をいただく機会が出てきました。
本を読んでいただいた方からメールで感想を送ってくださり、
高校の同級生や先生、20代に一緒に遊んだり活動したりした方々と
その時ぶりに連絡を取ることができて、
自分の過去の人生が少し明るく見えました。
これまで出会ってきた方々は、
私の人生にとってなくてはならない存在であることを、
しみじみと感じたのです。
私は、時々、
これまで助けてもらったことを忘れてしまうことがあります。
頭でっかちになって、これまでのご恩を忘れて、
自分でなんでもできると勘違いしたり、
逆に、人生はもうダメだとがっかりしたりするんですよね。
やれやれ……。
今回、自分で本を出してみて、
予想外なことが起こりました。
それは、私自身が「これまで生きててよかった」と
心から思えるようになったことです。
20代、30代は、とにかくこの先のことは知らないけれど、
目の前のことをやるしかなかったし、
周りの障害者に対する偏見と「戦う」ことしか考えていなかった。
だから、苦しかった。
でも、書くことで、人生を書き換えた、と言いますか。
これまで出会ってきた人々と、より近くなったような気持ちになりました。
自分の心の中心に、すべての経験を回収したような感覚。
最近、本の感想をお手紙でいただくこともあって、
お手紙が届くまで時間をかけている分、
メールとは違った、ゆっくり流れる時間がとても幸せでした。
人生の先輩から、私の血となるスープカレーも送ってくださいました。
他にもお手紙をくださった方々に、感謝しています。
