明日から4月スタート。3月まで私のアシスタント(ヘルパーさん)で働いていた大学生Nさんが、4月から病院で作業療法士として働く。今ごろ、ドキドキ、ワクワクしているにちがいない。
Nさんは、私の体のストレッチを積極的にやってくれて、アスファルトのように硬い足や、肩まわりをいつもほぐしてくれていた。硬いところを見つけると「ここは、〇〇二頭筋と言って、ここに繋がっている筋肉です。」と教えてくれる。筋肉の辞典を見ながら、頭の中でイメージトレーニングをしていた。
とても頼もしかったので、思わずNさんに、ヘルパーさんのミーティングで、足や肩甲骨まわりのストレッチの方法を他のヘルパーさんに教えてほしいと頼んだ。21、2歳の彼女は、30歳以上のヘルパーさんたちに落ち着いた口調で、しかも、優しく教えてくださった。
私にとって、ストレッチは欠かせない。私の体は、どこもかしこもアスファルトや板のように硬く、いつも力が入った状態になっている。リハビリの担当の先生によると、いつも5kg以上の重りを背負って、体を動かしているそうだ。なので、夜にはクタクタ。毎日のヘルパーさんによるストレッチが、「明日の私の活動」を支えている。
10年前は今のように安心してストレッチはできなかった。体を触ってもらうには、かなりの信頼関係がないと難しい。コミュニケーションがうまく言っていないと、イライラしてしまって、触れたくもないと思ってしまうのが、人間の情である。ヘルパーさんにも感情や癖みたいなものがあるので、手加減なしに急に触ってきたり、触れるか触れていないかわからないくらい、力が入っていない触り方だったり、人によってまちまちである。それは、普段の介助にも表れてしまうので、そこから丁寧に伝える必要がある。
そのために、10数人もヘルパーさんがいたら、同じようにしてもらうまでに、年月がかかってしまう。そんな中、Nさんのように、専門的な知識を持ち、それを活かそうと努力している方に、同じヘルパーさんの一員として教えてもらえることは、かなりありがたい。
Nさんは、これからいろいろな患者さんの体や生活を改善するプロになっていくだろうな。また、さらに経験値を積んだNさんや、他にもアシスタントで入ってくれた学生さんに会いたい。