今こそ、書くべきなのに、書けない。
自分の変化に追いつけない。
自分自身がまた変化している。
焦っているわけじゃない、確実にゆっくりと自分の中に「何かが決まった音」がする。
先週、東京に行ってきた。一本前に記事に挙げた「介助付き就労」の講演会の仕事と、以前にお伝えした自費出版の出版記念パーティーを行った。2泊3日で、自分の人生にとって大きなことを経験したので、帰ってきてからの脳みそでの処理が追いつかなかった。
大人になって初めての新幹線。ずっと北海道に住んでいたので、日本のどこかに行くとなったら飛行機での移動が当たり前だった。今は関西に住んでいるから、飛行機で行く必要がない。北海道では「大きな島から出る」という感覚しかなかったが、関西に住んでいると「どこまでも陸続き」という感覚が少しずつ理解できるようになった。それを目の当たりにしたのが、新大阪から東京まで2時間半、ほとんど泊まることなく走り続けるという驚異の新幹線。もちろん、室内は整備されているから、外のスピードほど体が持ってかれるという感覚はないが、実際は地面をものすごいスピードで走っているから、めちゃめちゃ疲れた。もういい加減止まってくれ!と叫びたいが、何が何でも走り続ける。飛行機なら雲の上という異世界だから、特別な空間で好きだけど、新幹線は外の景色は日常なのに、自分の意思では何もできない。外に出られない。そんなもどかしい気分だった。
新幹線のように、私の1週間は日常とそんなに変わらないのに、何かがものすごいスピードで変わっていった。今回、コロナ禍で初めて対面で講演会をし、3年以上オンラインでしか会ったことがない方々に、リアルに会った。出版記念パーティーでは、作家の安達茉莉子さんにお越しいただき、私の初めて執筆した「ウンチを出して『車いす』を脱ぐ」を読んだ感想を隣で聞かせてもらった。ほぼ3ヶ月で仕上げた本が東京で出版記念を祝われて、SNSで宣伝したら日本全国の方々が購入してくださった。
正直、本の制作をしている最中は無我夢中で、時間の流れが早いどころか、何も感じず、ただただ目の前のことに集中していた。
協力してくださった方々のおかげで、当日はたくさんの人に囲まれた。
自分は、書いて本を作って、ここに来た、だけなのに。
それが本当にありがたかったし、今でも信じられない。
また書こう。
本当に書けているのか?という不安を恐れず。
私の中で何が決まったのか。
書いていく中で明らかになる。