食べもの

テイクアウトでギリギリ応援

以前は、常連で通っていた飲食店にも、足が遠のいてしまった。友人や職場の人と会うときに、いつも迷わず、その場所で食事をしていた。どのメニューを選んでも、おいしい。そういうお店は、迷わず選ばれる。

新型コロナウィルスの影響が出てから、たとえ開店していたとしても、飲食店の中で食べようとは思えない。もう少ししたらいいかな?と思っても、その少しの行動で広まってしまうのではないかと不安がよぎる。

でも、足を運ぶたびに親切に対応してくださった店員さんや、その飲食店のことは気になっている。やっとお店の前に通る機会ができ、横を通ってみると、「テイクアウトはじめました」という看板と、メニューの写真が見え、心が躍った。

なんとかやっていたんだ!と安堵する。

しかも、一度メニューになくなった、レバニラ炒めがあった!

それが他のおかずとホカホカのご飯とともに、お弁当としてメニューに復活していた。

写真に撮ってアップしようと思ったのに、先に食べてしまった。その場で作っているのでホッカホカ、食欲をそそる甘ダレのいい香り、これまでのメニューにあった小さなおかずと、新しい小さなおかずたち。写真を撮り忘れるほど、1秒も待てなかった。

お腹が少しずつ満たされてきたころ、ふと、このテイクアウトで採算が取れるのだろうか?と心配になった。テイクアウトの料金は税込1,080円。レバニラ炒めは、お店で食べていたころは、単品で780円くらいだった気がする。十分にあるご飯と、サクサクひとくち餃子、辛味噌ダレがついたもっちり餃子、ナポリタン、ザーサイ、レバニラの上にのった半熟の目玉焼き。容器代と光熱費、人件費…破格すぎると思った。

実をいうと、テイクアウトは、なかなか外出できない人にとって便利だ。私のように車いすに乗っていると、お店にバリアがあっても、中に入らずにテイクアウトできる。家庭の事情で自宅にいなければならなかったり、子どもの見守りが必要だったり、外に出ることが心理的に怖かったりする人には、おいしい物を食べられるチャンスが広がる。

そう思って、少しウキウキしていたが、実際は、お店の経営を支えるほどの利益はそんなにないのかもしれないと思うと、考えさせられた。

お店を応援したいが、飲食をすることは遠慮したい。けれど、何か応援したい。そんなお客さんの気持ちをつなげるためにもテイクアウトは必要なんだと思った。

ご飯のお米が一粒一粒ピッカピカに立っており、レバニラ炒めの甘くトロッとしたタレがご飯にうまく絡んでいた。

「うなるような、ウマさ」を思い出させてくれたテイクアウト。

ギリギリの応援かもしれないけれど、応援したいお店には足を運ぼう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です