
この旅は、ふたりの未知なる旅でした。
Eikoさんとのふたり旅。
Eikoさんは私とは異なる病気と付き合っています。
私は、車いすからどこかに移動することや、歩くこと、着替えをすることもできません。
座る体制を作るときも、ベルトを締めたり、クッションを入れたりしてもらいます。
そんな私とのふたり旅を電話一つですぐにokしてくれました。
もちろん、お互いに何があっても、最終的には自己責任であることを約束。
それは、突き放しているようで、そうではありません。
助け合っても、依存はしない。
それが旅を実現する大きなポイントだと思っています。
でも、助け合いはたくさんしました。
Eikoさんは、私のトイレ介助はできなくても
食事は、袋を開けてもらったり、用意してもらったり、
機内で座っているあいだはブランケットや枕を直してくれたり…。
私は、片言のEnglishとItalianでアテンダントに対応します。
タイ用とイタリア用の携帯電話を持ち、現地での連絡役になりました。
普通は、介助が必要な場合、介助ができる人と行こうと思うのが自然。
私は、実はひとり旅覚悟で決行する気持ちでした。
自分の力で旅を実現してみたい。
日頃、ヘルパーさんの介助を受けながら生活していて、
生活が充実しているものの、
物足りなさ、窮屈さ、孤独感を感じていました。
ヘルパーさんが要因なのではなく、私の性格から来るものでしょう。
助けてもらえる人がいるという安心感を持った旅ではなく、
自分からどんどん前に出なければ、生きることさえままならない状態の中で、
いかに自分らしさを保って、有意義な旅を作っていくかを試したかったのかもしれません。
また、エキスパートじゃなくたって、片言の英語しか話せない私でも、
そして、介助がたくさん必要でも、旅を実現できることをかたちにしていきたい!と思ったのです。
そんな私の思いを組んでいただいたEikoさんにまずは感謝です。
Eikoさんも旅にかける思いがあります。
Eikoさんに電話でokをもらってから、旅の出発までの4ヶ月間で、
ふたりの旅への思いを語り合いながら準備をしてきました。
